タックスニュース

2017年9月29日 金曜日

Vol.0419

<タックスニュース>

加熱式たばこに増税論  紙巻離れの税収減に先手か

 2018年度税制改正に向け、普及が進む「加熱式たばこ」増税論が話題を呼びそうだ。一般的な「紙巻きたばこ」とは税額算出方法が異なって税額が低くなるほか、税負担もバラバラな傾向がある。加熱式人気の高まりは減収につながる可能性も高く、先に手を打ちたい税当局の狙いも伺える。
 発端は9月7日、自民党の宮沢洋一税制調査会長へのインタビュー報道。宮沢氏は加熱式の切り替えが増えている認識を示した上で、「紙巻きより加熱式は税率が低い。(商品を出している)3社で実効税率が違っている問題があり、それなりの答えを年末までに出していかなければならないだろう」と述べた。
 「加熱式」は、カプセルなどの中で葉たばこを加熱し、発生する蒸気やたばこ本来の味や香りを楽しむもの。煙も臭いも少ないとして近年、利用者が急増している。
 税制面では、通常の紙巻きは1箱440円(20本入り、税込み)の場合、たばこ税(244・88円)と消費税(32・59円)合わせて277・47円( 負担率63・1%)だが、加熱式は現行では「パイプたばこ」に該当するため、紙巻き1本のたばこ税率( 12 ・244円)をそのまま課税せず、葉たばこが詰められたスティックなども含めた重量1グラムを紙巻き1本と換算している。ただ、各社とも製品形状や課税重量が異なり、値段はほぼ同じでも、税負担は49・2%?14・9%(製品の種類で異なる)と大幅に異なっている。
 日本の紙巻き販売数量は1680億本と20年前から半減しているが、たばこ増税もあって税収は2兆円超で推移し続けている。
 税当局には、現行の税制のまま紙巻きよりも税率が低い加熱式への切り替えが進行することによる税収減の懸念もありそうだ。


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<タックスワンポイント>

会社役員の死亡退職金が「相当」かどうか  キーワードは給料×年数×功績

 業務中に犯罪や事故に巻き込まれて死亡した会社役員には、大抵の会社では「死亡退職金」が支給される。支給額は株主総会などでの決議を経た額になるが、たとえ決議があったとしても「いくら高額でも構わない」というわけにはいかない。税務署が「不相当に高額」と判断した部分は損金算入されない。
 役員の死亡退職金額の設定には、「死亡した役員の最終報酬月額×役員在任年数×功績倍率」という算式が用いられる。この「功績倍率」には明確な定めがないため、税務当局と納税者の間で「高く設定し過ぎている」「高くはない」と、しばしばバトルが繰り広げられる。
 高い功績倍率を設定したければ、「死亡した役員が創業者」「長年会社に貢献していた」などの事情を税務調査で証明する必要がある。ただし、退職金は「退職給与」で、これまでの功績に対して支払われるものであり、一般的な金額から逸脱しすぎると「何か給与とは違う意図があるのではないか」と、国税当局から追及される恐れがある。
 また役員が死亡したとなれば、社葬を行うこともあり得るだろう。社葬のために会社が負担した金額のうち、税務上、福利厚生費として損金で認められる範囲は、「社会通念上通常要すると認められる金額については、損金に算入しても差支えない」としている。社葬が得意先などを招いて社を挙げて行う会社の行事であり、私的なものではないという説明できるようにしておくことだ。
 このとき、遺族が負担すべき密葬費用や通夜費用、墓石、仏壇、位牌、戒名料、香典返礼費用などは社葬経費に含まれない。


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2017年9月22日 金曜日

Vol.0418

<タックスニュース>

「2022年問題」を緩和  生産緑地の貸し出しにも税優遇

 生産緑地の宅地転用を抑制するための税制改正を国土交通省と農林水産省が要望している。生産緑地として税優遇を受けるには地主がその土地で農業を続けなければならないが、今後は農業を営む法人に貸し出しても優遇対象とすることで、生産緑地を維持しやすくして宅地転用を防ぐ。
 生産緑地制度は、都市部の緑地の計画的な保全を図ることを目的に1992年に始まった。固定資産税の大幅減税や農地を受け継いだ人に認められる納税猶予特例の対象になる一方、地主は農作物の生産を続けなければならず、また指定を受けてから30年は売却できない。その縛りが重荷となることから、指定解除期限を迎えた後に生産緑地を宅地転用する人が多いとされ、土地の供給過多による周辺地域の地価急落が危惧されている。
 そのため国交省と農水省は生産緑地の宅地化を防ぐための見直しを要望。地主が農業を続けなくても、一般企業やNPO法人に農地を貸して農地を維持できれば税優遇の対象とするように求めている。さらに、現行の農地法では、農地を貸した人が契約更新をしない旨を通知しなければ自動的に貸借契約が続くことになっているが、地主が「農地をいったん貸すと戻ってこない」と貸借をためらう原因になるとされていることから、生産緑地の貸し借りには自動更新制度を適用しないように要望した。
 生産緑地の一斉宅地化は、「2022年問題」として不動産業界の大きな話題となっている。仮に制度が始まった1992年に指定を受けた生産緑地のすべてが解除期限の2022年に宅地になるとすると、最大で1万ヘクタールもの土地が一気に流通することになる。


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<タックスワンポイント>

切手は非課税だが配達代は課税  経理処理では購入時に「消費税負担」でOK

 経理担当者にとって、郵便切手の扱いは意外とやっかいだ。切手を購入したときは、「通信費(消費税:課税)」と処理する担当者が多いが、実は郵便切手の売買は「非課税」とされている。
 そもそも郵便切手は、郵便物の配達というサービス代金を、現金で支払う代わりに用いられる。郵便配達の消費税については、郵便切手の売買は「非課税」だが、郵便物の配達代金は「課税」の対象となる。ややこしいので事例で説明しよう。
 定型封筒の郵便を送る際の配達代金「82円」には、消費税が含まれている。配達代金75円と消費税7円(円未満は四捨五入)の合計で82円となる。もし、郵便切手の売買が課税されると、82円の郵便切手を89円で購入しなければならない。82円に消費税が含まれているのに、さらに7円の消費税が課税され、二重に消費税の負担することになる。それを避けるために、郵便切手の売買は非課税とされる。
 したがって、郵便切手を購入したときには消費税を非課税と処理し、郵便切手を配達代金として郵便物に貼って使用したときに初めて消費税を負担したという処理が正しいことになる。だが、そこまで厳密な処理を行うことは実務的ではない。そこで、購入したとき、消費税を負担したものとして処理すること(「通信費(消費税:課税)」)が、継続適用を条件として認められている。消費税とは、実は複雑で面倒な税なのだ。


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2017年9月15日 金曜日

Vol.0417

<タックスニュース>

国税庁が高額滞納への対応強化  「特別機動国税徴収官」を新設

 国税庁は8月31日、2018年度に向けた要望予算額と、機構・定員要求の内容を明らかにした。税務行政のIT化やマイナンバー制度の開始への対応として東京国税局に情報システム専担の部署を設けるとともに、滞納業務に当たる「特別機動国税徴収官」の新設を要望した。14年の消費増税以降、滞納の新規発生額は急増したが、それを上回るペースで国税による差し押さえなどの処分が進んでいる。新ポストの要望は、滞納のスピーディーな処分にかける国税の意気込みの表れと言えそうだ。
 18年度に向けて国税庁は、国際的な租税回避行為への対応や税制改正への対応などの観点から、前年より2人少ない1105人の増員要求を行った。ただし併せて来年度には1052人強の定員合理化も行う方針であることから、純増要求数は前年と同じ53人となっている。
 機構要求で目を引くのが、東京国税局に新たに設ける「特別機動国税徴収官(仮称)」だ。具体的にどのような業務に当たるかは不明だが、一般的な徴収官の基本的な業務が滞納への対応であることや、要望目的を「調査・徴収事務の複雑化等への対応」としていることから、何らかの形で滞納者へ接触する業務に当たる役職で間違いなさそうだ。
 とはいえ、高額であったり悪質であったりする案件へ対応する役職としては、すでに特別徴収官、通称「トッカン」が存在する。今回さらに新ポストを求めた背景には、より国税が徴収業務を強化していく姿勢の表れであるとともに、19年10月に控える消費再増税への"足場固め"の意味合いも予想されるところだ。過去の例を見るまでもなく、消費税が上がれば滞納者は急増する。高額滞納や、督促に応じない納税者も増えるだろう。そうした状況への備えとして、より「機動的」に動ける現場スタッフを国税が育成しようとしているということは、十分に考えられる。
 国税徴収官の実績は「滞納整理」した額や件数で表される。滞納整理とは催告や督促、差し押さえなどによって滞納分の税額を徴収することだ。そのなかには口頭や書面による督促によって納付されたものもあれば、強制的な差し押さえからの公売といった行政処分も含まれている。
 14年に消費税が8%に上げられたことを除いても、国税の新規滞納発生額は近年増加傾向にある。最新の16年度の新規発生額は増税以降初めて減少に転じたが、それでも増税前の13年度に比べて750億円ほど増えている。しかし、それを上回る勢いで滞納整理が行われているため、年度末に残った滞納残高は18年連続で減少し続けているのが現状だ。16年度に新たに発生した国税の滞納額は6221億円だったが、同年度に整理済となった滞納額は7024億円に上っている。滞納整理が進んだ理由として国税庁は「大口・悪質事案や処理困難事案に対して厳正・的確な滞納整理を実施」したと説明している。こうした流れのなかに「特別機動国税徴収官」の新設があることは確実だろう。


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宝くじの当選証明は大切に  共同購入では贈与税の課税も

 宝くじの当選金は非課税扱いであるから、たとえ10億円が当たったとしても申告する必要はない。しかし、宝くじの当選金をもとに事業を始めたり、家を建てたりすると、税務署の調査で資金の出所を問われることがある。そんなときのために、資金の出どころは宝くじの当選金であることを証明できる、みずほ銀行が発行する「当選証明書」を保存しておきたい。
 また複数の人と共同で購入していた宝くじは注意が必要だ。共同購入した宝くじが高額当選し、代表者が当選金を受け取り、それを後で山分けするというかたちをとると、当選金を受け取った人から分けた人への贈与と見なされる。となると、贈与税が課税されることになる。
 共同で購入した宝くじの当選金を非課税とするためには、当選金は共同購入者全員で受け取ったという証明が必要になる。当選金を受け取るときは、受取人名義にすべての名前を書くか、全員そろわなければ署名押印した委任状を用意して、分配者全員の存在をはっきりさせておかなければならない。


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2017年9月 8日 金曜日

Vol.0416

<タックスニュース>

経営者の高齢化対策  企業の事業売却に税優遇

 経産省はこのほど取りまとめた2018年度税制改正に向けた要望書に、企業のM&Aに税優遇を設ける内容を盛り込んだ。M&Aを税制面から後押しすることで、戦略的な事業買収といった「攻めの経営」を支援するとともに、後継者難に苦しむ中小企業に早期の決断を促すことが目的とみられる。
 経産省が提示した減税案は、後継者不足に悩む中小企業が他の会社や親族外経営者などに株式や事業を売却した際に、売却益にかかる所得税などを軽減するというもの。また事業と併せて不動産などを譲渡することもあり得るため、不動産移転にかかる登録免許税や不動産取得税についてもそれぞれ軽減するという。
 さらに企業が収益力の乏しい部門を切り離して主力事業に集中しやすいよう、株式と引き換えに事業を売却した際に譲渡利益や譲渡所得などにかかる法人税や所得税を軽くする。大企業、中小企業それぞれにM&Aにかかる税負担を軽減して、企業の新陳代謝を促す。
 今年7月に中小企業庁が発表した「事業承継5ヶ年計画」では、中小企業が利用できるM&A市場の育成や、地域の事業統合支援などを事業の柱に据えた。具体的には、国が運営する事業引継ぎ支援センターの体制強化や、民間の創業支援機関との連携強化を図り、年間2千件のM&A成立を目指していくとした。
 後継者難からくる休廃業は、倒産件数以上に増え続けている。東京商工リサーチの調査によると、昨年に休廃業・解散した企業は2万9583件で、調査を開始した00年以降最多となった。後継者が見つからないことによる休廃業・解散が増加の大きな理由の一つとなっていることは確かで、政府としては、これまでの後継者育成支援だけでなく、M&Aによる技術の継承を重視しはじめていることがうかがえる。


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<タックスワンポイント>

ペーパーカンパニーを作るなかれ  香港進出で法人税率16%を享受するには

 アメリカの経済紙は、香港を世界で最も「経済の自由度」が高い地域と評価する。実際に、法人税率が低く、税制も簡潔かつ明快なので、日本を含む外資系企業がこぞって進出している。外国の事業者にとって、香港はまさに「タックスヘイブン(租税回避地)」と見なされているのだ。
 香港には、事業税、住民税といった地方税や一般消費税が存在しない。また、「オフショア所得非課税」と呼ばれ、香港内源泉所得のみが課税対象となる制度もある。香港と香港外(オフショア)の両方から二重課税される可能性を防ぐためのもので、法人が香港外で得た所得は原則的にすべて非課税とされる。何より法人税率は一律で16・5%と安い。個人所得も税率は低く、最高17%の累進課税率と一律15%の選択適用が可能である。高所得者であっても税率はやはり15%。
 低い税率を見込んで、これから香港での会社設立を考える日本の中小企業も増えている。進出の際に気をつけたいのは、日本には、「タックスヘイブン対策税制」と呼ばれる制度があることだ。これが適用されると、香港で得た現地法人としての所得が日本側で合算課税されることになる。ペーパーカンパニーなどを現地で設立すれば、適用される可能性は高い。2016年には、神戸物産が、タックスヘイブン対策税制の適用で追徴課税1億6000万円の支払いを求められた。国税局が「子会社に役員が常駐していない」と判断したからだ。


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