タックスニュース

2017年10月27日 金曜日

Vol.0423

<タックスニュース>

社員の不正は会社の「所得隠し」  バンダイ社員が2億円着服

 玩具やゲームなどを手がけるバンダイナムコホールディングスは10月18日、玩具子会社バンダイの元従業員が同社から約2億円を詐取していたことが分かったと発表した。東京国税局の税務調査で発覚した。同社は元従業員を17日付で解雇し、刑事告訴を検討しているという。
 元従業員の男は同社で2015年から17年にかけてイベントの企画や運営を担当した際に、取引先に便宜を図り、支払った金の一部を振り込ませて受け取っていた。およそ2億円を受け取り、飲食費などに使ったという。
 会社に隠れて社員が着服した金額は、税務上は会社の「所得隠し」に当たる。さらに故意による「仮装・隠ぺい」に該当すると認定されることがほとんどで、加算税のうちでも最も税率の高い重加算税をバンダイも課される可能性が高い。資産を社員に私的流用されたことに加え、その責任を会社が負わされたことになるとは、まさに"泣きっ面に蜂"と言えるが、国税にとっては通常処理と言える。
 大手ゼネコンの竹中工務店の社員が約4600万円を着服したことが発覚した際には、竹中工務店に重加算税を含めた追徴税が課された。同社は「ミスや不正を見抜けなかったことは大変遺憾だ」とコメントし、追徴税額を全額納付し、元社員の男性を刑事告訴した。過去にも、07年にフジテレビで社員による着服が発覚して仮装・隠ぺいを伴う所得隠しと認定された例や、12年に東芝の子会社で元社員による9億円の着服が税務調査で発覚して重加算税含め2800万円を追徴された例など、会社のあずかり知らぬところで社員が着服した金額に対して、国税が「仮装・隠ぺい」を認定して重加算税を課した例は数多い。
 会社としての対処法は、竹中工務店やバンダイのように着服した本人に訴訟を起こすことがあるが、個人に払いきれる金額でないことがほとんどで、全額を取り戻せる可能性は低い。会社にとっては資産を私的流用された挙句に重加算税まで食らうという散々な結果で、できることと言えば着服や横領が起きないよう普段から相互チェック体制を整備しておくしかないだろう。


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<タックスワンポイント>

冬のボーナス、源泉徴収でのポイント  前月の給与不払いか多額の賞与は注意

 冬のボーナスの時期がやってくる。会社としては賞与の源泉徴収で気を付けなくてはならないポイントがある。前月に給与を支払っているとき、またはボーナスの金額が前月給与額の10倍を超えているときは注意が必要だ。
 給与を支払うときに源泉徴収する税額は、支払いの都度「給与所得の源泉徴収税額表」を使って求める。税額表には「月額表」「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」があり、ボーナスや年末手当、期末手当といった名目で定期の給与とは別に支払われるものには「賞与に対する源泉徴収額の算出率の表」を用いる。
 しかし上記のふたつのケースに該当するときは、ボーナスの支払いであっても「月額表」を使う。通常は、前月の給与から社会保険料などを差し引いた金額を「賞与に対する源泉徴収税額の算出率の表」に当てはめ、税率(賞与の金額に乗ずべき率)を求める。そして「賞与から社会保険料等を差し引いた金額×税率」が賞与から源泉徴収する税額になる。
 前月に給料を払っていない場合は、「賞与から社会保険料等を差し引いた金額×6分の1」を月額表に当てはめ税額を求め、それを6倍した額が源泉徴収する税額となる。
 賞与が給与の10倍超となる場合は、「賞与から社会保険料等を差し引いた金額×6分の1」と「前月の給与から社会保険料等を差し引いた金額」を足した額を月額表に当てはめ税額を求める。その税額から「前月の給与に対する源泉徴収税額」を差し引き、これを6倍した額が賞与から源泉徴収する税額となる。
 どちらも賞与計算期間が半年超なら(賞与−社会保険料等)÷12として同方法で計算。求めた額の12倍が源泉徴収税額だ。


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2017年10月20日 金曜日

Vol.0422

<タックスニュース>

日本の所得税は高いのか?  米で超高額所得者の新区分を検討

 米下院のライアン議長は10月4日、所得税の税制改革案として、超高額所得者向けの税率区分の設定を検討していることを明かした。トランプ大統領が9月提示した所得税の改革案では、現行7段階(最高税率39・6%)となっている税率構造を3段階(同35%)にまで引き下げるとしていたが、さらに1区分を追加することで、「減税の効果を真に中間層のものとする」と語った。超富裕層への課税強化はトランプ大統領の支持基盤である労働者層の支持強化ともなることから、一定の現実味を帯びた案と言えそうだ。
 ひるがえって日本の所得税を見ると、現行制度では所得に応じて5%から45%の7区分となっている。トランプ大統領の掲げた3段階ほどではないものの、これまでの所得税の歴史で最も簡素な4段階だった時代もあるが、わずか8年ほどで終わっている。
 財務省の公表する所得税の税率構造の推移をみると、1974年の所得税はなんと19区分で、最高税率は75%だった。住民税も合わせると、実に所得のうち93%が税金として取られていた。その後、所得税の税率構造は複数の改正を経て簡素化されていき、1999年には前述のように4段階、最高税率も37%とかなり減税されている。住民税も減り、両者を合わせた最高税率でも50%と、30年ほどで所得税負担はほぼ半分になったわけだ。
 その後ふたたび増税傾向に転じ、現在の住民税も合わせた最高税率は、所得4千万円を超える人で55%となっている。地方税も合わせた税率で世界主要国と日本を比べてみると、55%という税率は、米国52・3%やドイツ47・48%と比べて高いものの、所得2010万円以上で最高税率45%を課される英国に比べれば軽課であるともいえ、「まあまあ高い」というのが実情と言えそうだ。


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<タックスワンポイント>

タダでも譲れない土地に固定資産税  最後の手段は再評価額の申し立て

 国土交通省が今年発表した全国の地価公示価格によると、住宅地の全国平均は9年ぶりに下げ止まったそうだ。実際には東京などの都市部の地価が上昇して全国平均を引き上げているだけのようで、地方では地価の下落が続いているところが多い。
 問題は、土地が売れなくなっていることだ。全国各地で、土地の評価額が実勢と乖離する事例が頻発している。九州のある地方都市に住む40代女性は、大規模工場に近い住宅地の敷地(約400平方メートル)を相続した。
 自分が暮らす意思もないため、不動産業者を介して売りに出しているが、立地が悪くなかなか買い手が見つからず、数年前からは「タダでもよいから譲りたい」としているが、それでも引き取り手は現れない。
 市から届く課税明細書には、土地の固定資産評価額が約350万円とあり、固定資産税・都市計画税の合計は4万円となる。更地であるため、課税標準が評価額の6分の1になる住宅の特例も受けられない...。
 どうしても売れず、固定資産税に悩んでいるのであれば、各市町村にある「固定資産評価審査委員会」に、評価額の不服を申し出るのもひとつの策だ。ただし、評価額が覆る可能性は極めて低い。個別でなく、国レベルの対策が必要な問題となっている。


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2017年10月13日 金曜日

Vol.0421

<タックスニュース>

ふるさと納税の返礼品またまた見直し?  総務省の方針に二転三転

 新潟県燕市は9月29日、ふるさと納税制度をめぐり、検討していた返礼品の見直しを延期する方針を決定した。同市は2017年4月に総務省から返礼品の価値を寄付金額の3割以下に抑えるよう通知があったことを受けて、これまで5割程度となっていた返礼品を3割に見直す方針を明らかにしていた。
 しかし8月に就任した野田聖子総務相が「返礼品は原則として地方自治体に任せたい」と規制に慎重な考えを示したことから、現状維持の道を残すこととなった。10月22日に行われる衆院選の結果によっても再び方針が変わる可能性もあり、自治体としても成り行きを見守りたい考えだ。
 今後の見通しについて同市の鈴木力市長は、「総務省の方針や他の自治体の動きを見極めて、見直し時期や見直しそのものを判断したい。(ふるさと納税に関する総務省の方針は)朝令暮改的なところがあり、戸惑っている」とコメントした。
 野田氏は「3割上限の通知をほごにするつもりはない」とも発言しているが、返礼品の見直しで寄付額が昨年から9割減った自治体もあり、燕市の動きに他の自治体が追随する可能性は十分に考えられる。


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<タックスワンポイント>

FXの利益は雑所得に該当  年越しの未決済分は含み益にも課税されず

 外国為替証拠金取引(FX)の利益を確定申告せずに、申告漏れとして指摘されるケースが増えているという。
 株式取引の利益が「譲渡所得」として扱われるのとは異なり、FXの利益による所得区分は「雑所得」に該当する。FX取引でいう利益とは、為替変動によるキャピタルゲイン利益だけでなく、スワップ金利(金利差相当分)の収入も利益とされる。スワップ金利とは、ドル/円取引(ドルを買って、円を売る)のように、金利の高い国の通貨を買って、金利の低い国の通貨を売ると、その金利の差に相当する分を「スワップポイント」として得られるものだ。スワップ金利の受け取り・支払いを通算して、その合算額がプラスとなっていれば「利益」ということになる。
 FXで特徴的なのは必要経費が認められることだ。原則として売買手数料や入出金で払った手数料を必要経費として利益分から差し引くことができる。ただ、資料費やFX関連のセミナー代金、パソコン購入代金などは個々のケースによって判断が分かれるケースがあるので、税務当局や税理士に確かめたい。とにかく、FXトレードで費用がかかった場合には、その書類(領収書など)を保存し、必要経費として申告できるよう、準備をしておく必要があるだろう。
 確定申告の対象になる取引とは1月1日から12月31日まで(暦年)に決済した取引の損益がその対象だ。つまり年を越して未決済の取引分については、「含み益」が出ていたとしても課税の対象にはならない。スワップ金利も同様に、FX取引会社から個人の口座へ振り込まれ、確定したものだけが課税の対象となる。FXで決済し、年間通算で損失が出ていたとしても、その損失を翌年以降に繰り越すことはできないので注意したい。


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2017年10月 6日 金曜日

Vol.0420

<タックスニュース>

トランプ氏の税制改革案  法人税率20%に引き下げ

 トランプ米大統領は9月27日、米国の法人税率を現行の35%から20%まで引き下げる税制改革案を明らかにした。インディアナ州で行われた演説で発表し、「歴史的な減税だ」と胸を張った。そのほか、相続税の廃止や所得税の最高税率の引き下げなど多くの減税案を盛り込んだが、代替財源が見つかっていないこともあり議会の反発は根強く、実現に向けた見通しは不透明だ。
 トランプ氏は大統領選挙時から大幅な法人減税を公約として掲げ、9月に入っても「ほとんどの国より低い15%までは引き下げたい」と強気の姿勢を崩していなかった。しかし腹心であるムニューシン米財務長官が、直後に「出来る限り低くはしたいが15%まで引き下げるかは分からない」と打ち消した上で、「実際には20%台前半が達成可能な目標だ」としていた。議会からも強い反発があり、最終的にはトランプ氏が妥協するかたちで20%に落ち着いた。
 もっとも20%への減税であっても、代替財源が見つかっていないことに変わりはない。トランプ氏は演説で「20%よりも減税幅が少なくなることはない」と強調したが、議会の強い抵抗は必至で、法成立への道は見通せない。
 もう一つ議論を呼びそうなのが、相続税の廃止をはじめとする富裕層優遇だ。米相続税は2010年に一度廃止され、その後オバマ前大統領のもとで復活して現在に至るが、トランプ氏の税制改革案では再び相続税の全面廃止を掲げた。さらに個人所得税についても税区分を簡素化した上で最高税率を39・6%から35%へと引き下げることを打ち出した。野党・民主党から「富裕層への大盤振る舞いだ」(ペロシ下院院内総務)との批判を浴びているほか、トランプ氏の主要支持基盤である労働者層の反発を招く可能性も高く、難しい舵取りが求められそうだ。
 米国が20%への大型減税を掲げたことで、日本国内でもさらなる法人減税を求める声が強まる可能性がある。とはいえ二度にわたって行われた法人減税による経済回復効果は限定的で、政府の求める賃上げや設備投資拡大にはつながっていないことから、これ以上の減税には反対する声が大きそうだ。


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<タックスワンポイント>

パワハラ解決金の税務上の扱いが微妙なとき  退職金との相殺は労基法ではNG

 労務上のトラブルはこじれてくると、解決金に対する税務上の扱いも判断が難しくなる。
 ある会社で、管理職のNさんがパワハラ問題で従業員から訴えられた。会社は解決を図るべく協議を続けた結果、和解が成立。その条件は、被害者である従業員に解決金を支払うことだ。しかしNさんは、解決金の負担について一度は了承したものの、パワハラの事実関係については納得できない点があるとして、解決金の支払いを改めて拒否。そのため会社が負担することになった。すると、会社側の損金算入およびNさんに対する経済的利益の供与の問題が出てくる。一方、Nさんは依願退職を申し出ているので、会社は退職金の一部を天引きする形で解決金を負担させようと考えた。だが、税務上に問題があるかもしれないと、会社は税理士に相談。
 税理士の答えは、次のようなものだった。会社(法人)自らが負担すべき解決金には損金算入が認められる。しかし、他者が負担すべき解決金を会社が負担すれば「立替え」となり、直ちに損金算入することは認められない。それゆえ、立て替えた解決金の支払いを、本来負担すべきNさんに請求するのが本筋。だが、会社がそれを断念すれば、解決金は、その負担を免れたNさんに対する「給与」として取り扱われることになる。退職金責務で解決金の立替えを相殺することは、会計上および税務上は問題ない。ただし、労働基準法においては、従業員の責務と賃金とを相殺、控除することは原則として認められていない。物事は、なかなかスッキリいかないものだ。


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