タックスニュース

2018年7月27日 金曜日

Vol.0459

<タックスニュース>

滞納残高18年連続で減少  公売で4億円分を売却

 国税庁はこのほど、1年間の活動やその年のトピックについてまとめたレポートの最新版を発表した。滞納されたままとなっている国税の「残高」は、ピークだった1998年の2兆8149億円から18年連続で減少し、2016年度には8971億円となっていることが分かった。
 国税の滞納額は14年度までゆるやかな減少傾向にあったが、15年4月に消費税率が5%から8%に引き上げられたタイミングで3割増加した。しかしそれに合わせるように、未納分の徴収などの処理を終えた「整理済額」も伸び、未整理額は17年連続の減少を達成している。
 滞納整理で差し押さえられた財産を売却するインターネット公売は、17年度に4回実施された。高級車や宝飾品、不動産など前年の2倍となる約800物件、4億円分を売却した。レポートは「ネット公売は利便性が高く、より多くの参加者を募ることができるため、差し押さえた財産の高価・有利な売却に役立っています」と成果を誇った。
 レポートでは適正・公平な課税徴収の課題として、国際的な取引への対応を挙げている。各国の税制の違いなどを利用した税逃れを防止するため、国外送金等調書や国外財産調書の提出など様々な施策を実施しているが、前年度から顕著な伸びを見せたのが、租税条約に基づく各国との情報交換制度だ。15年度までは情報交換件数は約300件で推移していたが、最新の16年度では738件と、一気に倍以上に増えている。18年4月時点で123カ国が70の租税条約を発効していて、今後ますます情報交換制度を活用した所得の捕捉が進むとみられる。
 なおレポートには国税庁長官の名前で「納税者の皆様へ」という前書きが置かれるのが通例だが、今年は佐川宣寿前長官が辞任して長官職が空席となっているため、「藤井健志国税庁長官心得」との名前が書かれている。


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<タックスワンポイント>

おしどり贈与で税負担が重くなることも  不動産取得税と免許税に注意

 結婚して20年以上の夫婦間での住宅や住宅資金の贈与は、贈与税の年間控除枠の110万円に加え、別枠で2千万円までを課税対象から除外する特例を利用することが可能だ。この特例は、雌雄が常に一緒に過ごすおしどりの名前を使って"おしどり贈与"と呼ばれることがある。長期にわたって一緒にいるからといって必ずしも仲睦まじい関係を続けられているとは限らないが、税負担が減るのであればおしどり夫婦として税特例を活用したい。
 ただ、制度を利用することでかえって支出が増えることもあるので注意が必要だ。住宅の贈与の際に掛かる不動産取得税や登録免許税、専門家への報酬を合計すると何十万円もの支払いが生じることを踏まえたうえで制度を利用する必要がある。
 まず、住宅を贈与で受けた人は名義変更の際には土地や住宅の固定資産税評価額の3%分の「不動産取得税」を支払わなければならないが、これに対して相続で住宅を受け取れば、不動産取得税はかからない。
 さらに、所有権の移転登記にかかる「登録免許税」は、贈与で住宅を受け取れば不動産の価格の2%だが、相続なら0・4%に下がる。いずれも相続より贈与で受け渡した方が高くつく。
 このほかにも、贈与の際に税務申告や登記手続きの代理を税理士や司法書士に依頼し、その後に相続が発生した際にも再び専門家に依頼するとなると、贈与をせずに相続時だけに手続きの代理を依頼した人と比べて支払う報酬総額が割高になりやすい。
 そもそもおしどり贈与の目的は生前に無税で贈与することで将来の相続税の負担を減らすことにあるが、夫婦間の相続では1億6千万円までの相続財産には相続税が課税されないことになっているため、生前贈与をしなくても相続税がゼロとなる可能性は十分あり得る。
 ちなみにおしどり贈与は、同じ相手につき一度しか使えない。利用した後に離婚して別の相手と再婚をすれば適用が可能だが、さらに20年の月日が必要となる。


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2018年7月20日 金曜日

Vol.0458

<タックスニュース>

改正民法が成立  配偶者の取り分が大幅増

 相続制度の見直しを盛り込んだ民法の改正法案が7月6日の参院本会議で可決、成立した。相続制度の大幅な見直しは1980年以来約40年ぶり。従来の相続制度を大きく変える内容が多数盛り込まれ、特に配偶者の権利を大幅に拡大するものとなっている。改正法は2020年7月までに施行される。
 改正法では、結婚して20年以上の夫婦であれば、生前贈与か遺贈された自宅や居住用土地は、遺産分割の対象から外すことができるようになる。現行法では原則として、生前贈与された住居は遺産分割や遺留分減殺請求の対象となっていたものを、完全に配偶者だけの取り分とする。配偶者は自宅を得た上で、残された財産について「2分の1」という法定相続分を取得することができることになる。
 また「配偶者居住権」制度が導入される。現行法では、配偶者が遺産分割で建物を得た時に、建物の評価額が高額だと預貯金といった他の相続財産を十分に取得できない恐れがある。今の住居に住み続けるための所有権を得ると老後の生活資金に不安が残ってしまい、逆に預貯金を相続すると家を失うことになってしまい、どちらにせよ生活は不安定にならざるを得ない。改正法では、所有権が他者にあっても配偶者が住み続けることができるよう、家の価値を「所有権」と「居住権」に切り離し、配偶者はそのうち居住権のみを得れば家に住み続けられるようにする。さらに亡くなるまで行使できる「長期居住権」とは別に、遺産分割が終わるまでとりあえず住み続けることができる「短期居住権」も創設され、分割協議の結果、長期居住権を得るか家そのものを取得すれば、その後も住み続けることができ、居住権を手放した場合にも、次の家を探すまでは一定期間居住する権利が得られる。
 他にも相続に影響を与える見直しが盛り込まれている。その一つが介護などで貢献した親族への金銭要求の権利創設だ。長男の嫁など法定相続人でない者であっても、生前に介護などで特段の貢献をしたと認められれば、遺産分割の際に一定の金銭を「特別寄与料」として要求できるようになる。その他、自筆証書遺言を法務局に預けられるようになる制度や、なくなった人の預貯金を遺産分割前に引き出せるようになる制度なども盛り込まれた。


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<タックスワンポイント>

お中元の商品券の送付先リストはしっかり管理!  私的利用が疑われれば法人税も所得税も増額

 もらってうれしいものを正直に言えば、やはり使い方の自由度の高いものだろうか。代表格は現金、次いで換金性の高い商品券等々...。
 早くもお中元の季節となったが、贈り物にビール券などの商品券は喜ばれるものの筆頭だ。当然ながら経費として認められる。ただし、その経理処理は通常の商品以上に注意が必要だ。
 なんといっても商品券は換金性が高い。相手に手渡したときに「受取証」をもらうこともないため、税務調査では「本当に渡したのか」と、疑われることも多い。実際、会社が買った商品券を取引先に渡さないで自分の懐に入れてしまうという事例はいくらでもある。社長自身が自身の臨時収入にしてしまうほか、預かった社員が自分のポケットに入れたり金券ショップで換金したりするという。もちろん、不正に手にした金券を転売したことによる譲渡益を申告する者はいない。
 こうしたことは税務署も想定内であるため、お歳暮やお中元の扱いにはしっかりと目を光らせている。お中元の処理で痛くもない腹を探られないためには、商品券を渡した相手のリストを正確に作ってしっかり保管しておくことだ。その際は、相手の社名や日時、商品の内容はもちろんのこと、配送でなく手渡したのなら受け取った相手の名前も記しておきたい。
 せっかく会社で買って取引先に確かに渡した商品券も、税務署に否認されれば、その代金は損金にできず会社の所得が増えて法人税が増加するだけではなく、社長が懐に入れたと判断されれば、ボーナスということで社長個人の所得税と住民税も跳ね上がる。まさに踏んだり蹴ったりだ。しっかり対処しておきたい。
 お中元の季節は以前に比べて全国的に早まっているようだ。北海道では、旧盆の時期にあたる7月15日~8月15日あたり、東北と関東は7月初旬から7月15日まで、北陸は地域によって関東型と北海道型に分かれ、東海・関西・中国・四国のお中元では、7月15日~8月15日までに贈ることが一般的なようだ。また、夏の到来が早い沖縄では旧暦の7月15日までに贈ることが多いという。


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2018年7月13日 金曜日

Vol.0457

<タックスニュース>

補助金の活用経験  中小企業の3割どまり

 信金中央金庫によると、国や都道府県等が実施している補助金や助成金制度を「利用したことがある」と回答した中小企業は31・4%にとどまることが分かった(有効回答数1万4225社)。信金は「(企業の)規模が大きいほど活用の割合が高い傾向にあった」と分析している。また活用した制度の内訳は、「雇用・人材・健康」が9・7%で最も高く、次いで「研究開発・設備投資」が9・3%と続いた。
 一方で補助金などを利用しなかった企業は、「適当な補助金や助成金がない(26・2%)」、「知らない・関心がない(24・2%)」、「手間や費用がかかる、審査が厳しい(18・2%)」といった理由を挙げた。
 公的機関等が主催するセミナーについては、「参加したことがある」が40・4%で、企業の規模が大きいほど参加の割合が高い傾向にあった。内訳は、「補助金活用(12・0%)」、「販路拡大・マーケティング(11・8%)」、「事業承継・相続・M&A支援(11・6%)」、「人材確保・育成(11・2%)」となった。業種別では、製造業で「補助金活用」、卸売業と小売業で「販路拡大・マーケティング」、不動産業で「事業承継・相続・M&A支援」、サービス業と建設業で「人材確保・育成」がそれぞれ最も高く、役立っているセミナーに差が出たようだ。
 また専門家派遣や相談窓口を「利用したことがある」と回答した企業が26・3%だったが、その相談の中身は「税務・財務・会計」が11・7%で、「販路開拓・営業支援(8・8%)」、「人事・労務(6・1%)」より高かった。信金によると「ほぼすべての規模階層や業種で『税務・財務・会計』の回答割合が多い傾向にあった」としている。
 支援制度を利用するための情報入手先については、「メインバンク(33・2%)」が最も多く、「商工会議所・商工会(19・8%)」、「公的機関(区市町村・中小機構等)(10・8%)」、「知人・同業者等(10・3%)」、「メインバンク以外の金融機関(10・3%)」と続き、税理士などが含まれる「各種専門家」は6・7%にとどまった。


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<タックスワンポイント>

相続で得た土地にかかる不動産取得税  原則非課税だが孫は例外

 多数の土地を所有していた父親が、遺言書を残して亡くなったとする。遺言書には相続人である母親と息子に加えて、息子のさらに息子、つまり孫にも土地を与えると書いてあった。遺言書どおりに遺産は分割され、しばらくして役所から孫あての封筒が届いたので開けてみると、なんと相続で引き継いだ土地についての不動産取得税の納税通知書だった。同様に土地を相続した母親や息子には届いていないのに、なぜ孫だけ...?
 これは不動産取得税のルールに理由がある。不動産収得税は、家屋の新築や増築、改築、土地や家屋の購入、贈与、交換などで、新たに不動産を取得した時に課される税金だ。しかし不動産を取得しても同税が課されない例外があり、それが相続によって得るケースだ。つまり母親や息子の元に納税通知書が届かなかったのは、この例外規定による。
 それなら孫にはなぜ通知書が届いたのか。それは、この例外規定の対象となっているのが、民法上の「相続人」の不動産取得のみだからだ。相続人とはつまり、なくなった人の配偶者、子ども、親、祖父母、兄弟姉妹までで、孫は含まれない。さらに不動産取得税以外でも孫への遺産引き継ぎは、その父親がなくなっているケースを除いて、相続税の2割加算ルールが適用される。同じ相続による不動産取得でも、配偶者・子と孫では税負担に大きな違いが出てくるわけだ。
 なお冒頭のケースでもし遺言書がなければ、税負担以前に、そもそも法定相続人でない孫に遺産を取得させること自体ができない。どうしても孫に土地を渡したければ、一度その父親が財産を受け取って、その後に生前贈与することになるが、相続税に加えて贈与税もかかることになってしまうため、お勧めはできない。特定の孫に財産を引き継ぎたいなら、ちゃんと遺言書を書いておくようにしたい。


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2018年7月 6日 金曜日

Vol.0456

<タックスニュース>

確定拠出年金  平均利回りは3.25%

 運用次第で将来受け取れる額が変わる「確定拠出年金」の、2017年度の平均運用利回りは3・25%だった。格付投資情報センターが大手運用管理会社を対象に集計したもの。国内外の株高基調に加え、国内債券も堅調だったことから、昨年より0・09ポイント伸びた。
 確定拠出年金は、毎月決まった額を拠出し、それを元手に株式や国債などを個人がそれぞれ運用する年金制度のこと。運用による損益が将来受け取れる給付額に反映される。一方、国民年金や厚生年金などに代表される従来の年金制度は、将来どれだけの給付額を受け取れるかが確定しているため、「確定給付年金」と呼ばれる。
 加入者全体の平均利回りは3%強だが、それぞれの利回りには差があるようだ。17年度に10%以上の運用成績を出した加入者が全体の5%いる一方で、約4割の加入者は「0~1%」にとどまった。あくまで年金であるため、資産目減りのリスクを避けて元本保証型商品のみで運用した人が多かったことが理由と見られる。
 確定拠出年金自体は2001年に導入された制度だが、当初は加入条件が厳しかったこともあり、なかなか普及しなかった。しかし安倍政権の「貯蓄から投資へ」のスローガンのもと、加入対象が大幅に拡大されるなどの見直しが行われた結果、加入者は06年の173万人から10年間で3倍以上に増加している。加入企業数でも、国が掲げていた「20年までに2万社」という目標を大きく上回り、今年3月末で3万社を突破した。
 加入者が急増している背景には、少子高齢化が進むなかで、これまでの確定給付年金だけでは老後の生活を不安と考えている人が増えていることはもちろんだが、確定拠出年金が持つ税制面でのメリットも大きい。払い込んだ掛金は全額が所得から控除され、投資運用の結果として得た利益も、利息、配当、分配金、売却益のすべてが非課税となる。ここが通常の株式投資と大きく異なる点だ。
 また年金として受け取る時には、NISA(少額投資非課税制度)とは異なり所得税自体はかかるものの、公的年金等控除として一定額を所得から控除できる。一時金として受け取った時にも退職所得控除を受けられ、多くの税制面でのメリットが加入者を伸ばす要因となっている。
 企業側にもメリットがある。将来の給付額が決まっている確定給付型の企業年金では、積立金の運用に失敗するなどで給付額を確保できなくなれば、会社がその差額を補てんする義務が求められる。その点、確定拠出年金は、会社は月ごとの決まった掛金を拠出してしまえば、後の投資運用は個人の責任だ。運用結果に責任を持たずに済み、長期的な補てんリスクに備えなくてよいことは、会社にとっての大きなメリットとなる。また会社が負担した掛金はすべて損金に算入することが可能だ。


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<タックスワンポイント>

欠損金の繰戻還付に調査は来る  大抵は机上調査なので諦めずに申請を

 今期が赤字で前期が黒字という場合、前期に納めた税額のうち一定の算式で計算した金額を還付してくれるのが「欠損金の繰戻還付」と呼ばれる制度だ。かつては一定の法人を除いて原則不適用だったが、2009年の税制改正で資本金1億円以下の法人についても使えるようになった。
 中小法人としてはありがたい改正だったが、この欠損金の繰戻還付制度を受けて、払っていた税金を還付してもらうと必ずといっていいほど税務調査があると言われることで、制度の利用を躊躇することも少なからずあるようだ。
 「必ずといっていいほどある」という税務調査の話は実は本当で、法人税法で「税務署長は、還付請求書の提出があった場合には、必要な事項について調査し、法人税を還付し、又は請求の理由がない旨を書面により通知する」と規定されているためだ。
 調査の時期については確定されていないが、還付加算金が申告書の提出期限の翌日以後3カ月を経過した日からかかることになっていることから、それまでに調査があるのではといわれている。
 ただし、勘違いしてはいけないのは、「調査」といっても、通常の税務調査のように、事前通知を受けた後に調査官がやってきて、根掘り葉掘りと聞かれるというものではないということだ。調査はいわゆる「机上」での調査も含まれ、ほとんどの場合で何もなく還付が実行される。問い合わせがあったとしても電話で簡単な質問を受けたというケースがほとんどであるため、「コワい調査がやってくる」というウワサだけを信じて還付を諦めるのはもったいないことだ。


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