タックスニュース

2018年9月28日 金曜日

Vol.0466

<タックスニュース>

宿泊税?それともレンタカー税?  沖縄県が導入を検討

 有名観光地を抱える自治体での導入が相次ぐ「観光税」を、沖縄県でも導入しようという動きが進んでいる。同税を課す他の自治体では宿泊料金に上乗せする「宿泊税」の形を取るところが多いが、沖縄ではレンタカーの利用者に課する形での徴収も併せて検討されているようだ。
 9月10日に沖縄県庁で開かれた検討委員会の第1回会合では、沖縄を訪れる観光客数が直近の5年間ほどで1・5倍に増えているデータなどが示され、観光客の増加に伴う様々な課題を解決するために観光目的税の導入が必要だとの認識を共有した。具体的な案として県内のホテルや旅館に泊まる人に課す「宿泊税」と、レンタカーを県内で利用する人に課す「レンタカー税」を挙げ、今後の会合では両者を並行して検討していく方針を確認した。
 近年になり、東京都、大阪府、京都市など多くの自治体が観光目的税を導入したが、そのほとんどは宿泊税として徴収する形を取っている。沖縄でレンタカー税が議論に挙がるのは、県特有の交通事情があるためだ。沖縄には都市モノレールを除いて鉄道が存在せず、ほとんどの観光客は県内でレンタカーを借りて移動する。観光客の増加に伴いレンタカーの台数も増え、県の玄関口である那覇空港の送迎場では、レンタカー会社の送迎車を待つ長蛇の列が一時期、問題となったほどだ。
 沖縄県は過去にも観光目的税について検討したことがあるが、レンタカー税は徴収コストと事業規模が見合わないとして、導入するなら宿泊税が最適との結論を出した経緯がある。しかし観光客が右肩上がりで増えている現在では事情が変わり、また「取りやすいから宿泊税にするのはおかしい」(出席した委員)などの声もあることから、ゼロベースで両者を検討するのが適当との結論に至った。委員会は今年度中に結論を出し、21年度までの徴収を目指すという。


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<タックスワンポイント>

従業員への食事代が非課税になる範囲  給与所得となれば社会保険料にも影響

 多くの業態で人手不足が深刻化している。厚生労働省が今年6月に発表した有効求人倍率は1・60倍で44年ぶりの高水準となった。従業員の定着率を上げたうえで優秀な人材を新たに呼び寄せたいところだが、賃上げにはどうしても限界がある。それでは、非金銭報酬として福利厚生を手厚くしようと思うが、社宅や豪華な旅行を準備する余裕はない。そこで、まず手を付けやすいのは食事の提供ということになるか。
 企業が仕出し弁当などの食事を提供するにあたって、やはり気になるのは課税対象とならないかどうかの基準だろう。せっかく従業員サービスだと思って実行しても、給料扱いで課税されては従業員も経営者もおもしろくない。給与所得になるということは、健康保険料や厚生年金保険料、雇用保険料などの社会保険料も上がるのでくれぐれも注意が必要だ。
 食事の提供が課税されないためには、弁当代の全額を会社が負担せず、必ず代金の半額以上を従業員が負担する仕組みが必要だ。そして、会社の負担は1人あたり月額3500円(税込3780円)以下でなければならない。つまりいくら社員のためといっても「全額無料」では社員への給与所得とみなされてしまうわけだ。仮に1つ800円(税込)の仕出し弁当であれば、希望する従業員には半額の400円を徴収する前提で、かつ月9回(3780円÷400円=9・45回)までしか提供できない計算になる。
 ただし、これは通常の勤務内での話であり、残業時間での食事提供となれば内容は異なる。残業食事代は、残業をした従業員に対する慰労を兼ねた実費弁償的なものであり、それゆえに常識的な金額の範囲であれば課税はされないことになっている。この場合、弁当など食事そのものを提供しても、また従業員がスーパーなどで立て替えて購入をして実費精算しても可能だ。
 なお、終業後すぐに出された食事であれば、実費弁済の意味が薄らぐことから課税されるリスクも考慮しなくてはならない。


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2018年9月21日 金曜日

Vol.0465

<タックスニュース>

利益剰余金 過去最高の446兆円  内部留保課税に現実味

 財務省が「内部留保課税」の実現に向けて動き出す。9月3日に発表した2017年度の法人企業統計で、金融・保険業を除く企業の内部留保にあたる利益剰余金が446兆円に上っていることが判明。6年連続の増加で過去最高を更新し、前年度比で9・9%増という伸び率はこの6年で最も高いものだった。麻生太郎財務相は、翌4日の記者会見で「あれだけ貯めて何をするのか。給料が伸びたといっても2ケタに達していないし、労働分配率も下がっている」といら立ちを隠さなかった。
 安倍晋三首相は、事あるたびに賃上げや設備投資を企業トップに要求している。その効果か、法人企業統計でも、人件費は前年度より2・3%増えて206兆円、設備投資も5・8%増の45兆円となったが、当期純利益も61兆円と24%も増えた結果、利益余剰金が拡大した。一方で、企業が支払った税金にあたる租税公課は11兆円から10兆円に減った。安倍首相肝いりの法人税引き下げが、図らずも内部留保を積み増した形だ。
 内部留保は法人税を支払った後の剰余金のため、財務省は「二重課税」の批判を嫌い、課税に慎重な姿勢だった。しかし昨年9月、小池百合子東京都知事が立ち上げた希望の党の政策公約では、消費税を延期した場合の財源として内部留保300兆円に課税する案が盛り込まれた。麻生氏は「二重課税だ」と攻撃してみせたが、実態は「民進党から合流した玉木雄一郎衆院議員(現国民民主党代表)ら旧大蔵省OBメンバーを通じ、財務省が上げた観測気球だった」(自民党幹部)という。財務省幹部は「内部留保がさらに拡大していく見通しである今こそ、堂々と課税を議論して実現させたい」と語る。


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<タックスワンポイント>

年をまたぐと相続税が数千万円増!?  地価変動を見越した土地対策を

 ひとり暮らしの高齢女性が、元日に浴槽で亡くなっているのが様子を見に来た家族によって発見された。検視の結果、死亡推定時刻は大晦日の午後10時だったという。この女性は1000坪以上の自宅や農地を所有する不動産オーナーで、遺産の大半も不動産だった。
 土地の相続財産としての価値は、国税庁が毎年7月に発表する「相続税路線価」によって算定される。路線価は毎年1月1日時点での一定の範囲内の道路(路線)に面した土地を評価するものなので、つまり土地の相続税評価額は、「死亡した年の元日の値段」によって決められるわけだ。
 女性は大晦日、つまり12月31日の午後10時に死亡したと推定された。そうなると評価額は約12カ月前、"旧年"の1月1日の値段となり、約3億400万円となった。税務署はその評価に基づき課税をしたが、猛反発したのが故人を発見した家族たちだ。というのも、一夜明けた1月1日、つまり"新年"の同じ土地の路線価は大きく下がり、相続税評価額は2億2600万円だったからだ。その差はなんと7800万円に上る。
 故人が旧年中に死亡したという確証もないのに、税負担に大きな差が出るという処分に遺族らは不服を申し立てた。検視の医師は産婦人科医で法医学の知識に乏しく、また故人は「紅白歌合戦」を見た後に除夜の鐘を聞いてから入浴する習慣があったため、浴槽で亡くなっていたなら年が明けていたはずとの推測を元に、結局争いは法廷までもつれ込んだ。
 このケースは地価下落の時代だったため、年が明ければ税負担が下がるというパターンだったが、今の日本は地下上昇の時代だ。特に都市部では前年に比べて地下が2~3割上がる地点も多く、ただ年をまたいだというだけで、同じ土地でも相続税が数千万円増える可能性もゼロではない。もし値上がりが見込まれる都市部に土地を持っているなら"もしも"の事態が起きる前に、何らかの相続税対策を講じておきたい。


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2018年9月14日 金曜日

Vol.0464

<タックスニュース>

「独自予想加えた」で一時所得に  ハズレ馬券裁判で納税者敗訴が確定

 競馬予想プログラムを使って2年間にわたり約3億円の当選金を得た男性に対し、最高裁判所第一小法廷(小池裕裁判長)は8月29日、男性の上告を退けた。これにより、男性の馬券収入は一時所得に当たるとした地裁判決が確定した。長期間にわたる多額の馬券収入を巡っては、近年2度にわたって本来の一時所得ではなく雑所得と認める判決が出ている。今回異なる司法判断が下された理由には、プログラムにすべてを任せない「独自予想」が影響したようだ。
 横浜市の男性は、独自開発した競馬予想プログラムを用いてレース結果を予想し、2009年~10年の間に約2億8千万円分の馬券を購入。約3億円の払い戻しを受け、これを「事業所得」として申告し、ハズレ馬券の購入費を経費としたが否認された。予想に当たっては馬券購入をプログラムにすべてを任せず、自身の判断も加えていたという。判決では、男性が自身の判断を加えていたことをもって、「購入規模は大きいが、一般的な馬券愛好家の購入態様と質は異ならない」と判断。さらに赤字の年もあり収益が安定していないことなどからも「社会通念に照らして『事業』に該当するとは言えない」と結論付け、一時所得が妥当とした。
 馬券収入を巡っては15年と17年に、競馬で多額の払い戻しを受けていた男性2人が、それぞれ「雑所得」を主張して国税と対立し、勝訴している。その結果、国税庁は馬券収入の取り扱いに関する通達を改正し、「馬券を自動的に購入するソフトウェアを使用して定めた独自の条件設定と計算式に基づき、または予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従って、偶然性の影響を減殺するために、年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入するなど、年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら多数の馬券を購入」したケースについては、雑所得として扱い、ハズレ馬券の費用を経費に含めるとしている。今回の男性は雑所得ではなく事業所得と主張したが、どちらにせよ裁判所は、一般の競馬愛好家と変わらない「一時所得」と結論付け、過去の2回の判例とは判断を分けたことになる。
 今回の判決をもって「プログラムに任せれば雑所得、独自予想なら一時所得」と結論付けることはできない。17年12月に雑所得を認められた男性は、自動購入ソフトなどは使わず、レースごとに結果を予想して、計約72億7千万円分の馬券を購入して計約5億7千万円の利益を得ていたからだ。この男性に対して最高裁は、「多額の利益を恒常的に上げていて、プログラムを使用したケースと本質的に違いはない」とハズレ馬券の経費性を認めた。
 改正通達でも雑所得して認められる条件をソフトウェア使用に限定していないように、馬券で得た収入が一時所得に当たるかどうかは、あくまでケースバイケースで、購入態様や期間、当選金の額などによって決まるということのようだ。しかし納税者にとっては前もって予見しづらく、不安の残る状態になっている点は否めない。


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アパマン建設節税の仕組み、分かってる?  節税のために借金はくれぐれも慎重に

 相続税の節税を目的にローンを組んで土地を購入し、アパートやマンションを建設する。そうした投資が節税につながるのは、相続税を計算する際の評価額は建物も土地も基本的に通常の取引金額よりも低くなるためだ。アパート建設のために銀行で1億円のローンを組み、土地を購入して建物を建てたとき、土地と建物の評価額は大抵7千万円程度とされるため、これだけで相続財産は3千万円減ることになる。さらに相続税の申告にあたっては、建物には貸家の評価減、土地は貸家建付地の評価減などで、さらに評価額が下がることが見込まれる。実際に3割以上下がるのなら、利息を考えても取り組んでみる価値はあるだろう。
 ただし、その効果はずっと続くわけではない。その理由は家賃収入だ。建物の評価額は年ごとに下がるものの、それ以上に家賃収入があれば節税効果分を埋めてしまうことになる。したがって、アパマン建設による節税効果は家賃収入や経費支出などにより変わるので、長期的な計画が必要になる。
 一般的な節税策に加え、アパマン建設では、親が社長となり、その会社が借金をしてアパートを建設し、子を株主とするパターンもある。ポイントは親の信用で借金をするので、子がまだ若いときに実行しやすいことと、家賃収入が会社に貯まるので、それが株主である子の財産となり親の財産が増えない点だ。もちろんこれだけでは、親の財産を増やすことも減らすこともないため、節税のためにはほかの方法を組み合わせる必要がある。
 どのような仕組みでアパマン経営を行うかは、親の財産規模や年齢、その他のたくさんの条件で変わってくるだろう。また、それぞれで土地の評価額が変わることと、貸家に使える小規模宅地の特例の適用から外れてしまうことも考える必要がある。何よりも、多くの場合で借金を抱えて取り組むことになるため、節税のためとはいえ、あくまでもアパマン経営者であるという自覚は必要だろう。


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2018年9月 7日 金曜日

Vol.0463

<タックスニュース>

個人版「事業承継税制」  経産省が要望へ

 個人事業者者の事業用資産引き継ぎにかかる相続税を軽減する案を、経産省と財務省が2019年度税制改正に向けた要望書に盛り込んだ。18年度改正では中小企業の自社株引き継ぎにかかる税負担を軽減する「事業承継税制」で大幅な拡充が行われたが、全国約200万の個人事業者には恩恵のないものだったことを踏まえ、政府は「個人版事業承継税制」を整備することで中小事業者の減少傾向に歯止めをかけたい狙いだ。
 個人事業者の事業用資産は、大きく分けて土地、建物、設備に分けられる。このうち土地については既に、相続の際に評価額を8割減らせる特例が存在する。しかし建物と設備については優遇がないため、子などが親の資産を引き継ぐ際の税負担が事業継続の足かせになっているとの指摘があった。また18年度改正で大幅に拡充された事業承継税制は、自社株の引き継ぎについて全額を納税猶予するという"大盤振る舞い"が話題となったが、個人事業者は自社株を持たないため、優遇を受けることができなかった。
 経産省と財務省が求めているのは、経営者が個人で保有する工作機械などの設備、事業に使う建物について、相続税の算定基準となる評価額を軽減するというもの。実現すれば個人事業主にとっては事業承継の大きな助けとなるが、事業用と私用の区分が法人よりあいまいなことも多く、制度設計には困難を伴いそうだ。


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<タックスワンポイント>

生前贈与分も遺産分割の対象に  相続人かそれ以外かで扱いが変わる

 長男に財産を引き継がせたいが、他の兄弟から最低限の取り分である「遺留分」を請求されたら目的を果たせなくなってしまうので、生前に全財産を贈与しておくことで遺産分割そのものを行わせないようにする――。こんな方法を思いついたとしても、実現は不可能だ。民法では、配偶者や子、親、兄弟という法定相続人への生前贈与は、特定の人間が預かった利益として、遺産分割協議の際に「持ち戻し」することを定めている。つまり贈与した分もいったん相続財産に含めた上で、贈与を受けた人はすでに取り分をもらっていると判定するわけだ。
 この規定によれば、仮に生前贈与が15年前であっても30年前であっても、すべて特別な利益として持ち戻されてしまうのだが、さすがに何十年も前の贈与を持ち戻すのはやりすぎとの声があったのか、今年7月に成立した改正民法では「過去に行われた全ての贈与」が「死亡前10年以内の贈与」に改められた。今後は、相続人の1人にどれだけ偏った贈与を行ったとしても、10年経てば持ち戻しの対象にはならない。この改正法は2019年7月12日までに施行される。
 生前贈与が相続人以外、つまり第三者や法定相続人に当たらない親類に対するものだった場合は、また話が変わってくる。相続人以外への贈与についても遺産分割時の持ち戻しのルールはあるものの、対象となるのは「死亡前1年以内」の贈与のみ。法定相続分に絡まない人間への贈与は相続人の間の公平を乱すわけではないため、大幅に短い期間が設定されているようだ。ただしこちらでも、贈与した側とされる側の両方が遺留分の権利を侵害すると知って行った贈与だと認められると、持ち戻しの対象となる。その判断は微妙だが、例えば「相続人に財産をびた一文渡したくない」という理由で結託して行われた贈与は持ち戻される可能性が高いだろう。
 ちなみに制度としては、遺言などで「この贈与については持ち戻しの対象としない」という持ち戻し免除の意思表示を行うこともできる。この意思表示を相続人らが受け入れれば、生前贈与分を除いた上で遺産分割が行われるが、一人でも納得のいかない相続人が遺留分請求を申し立てると、持ち戻し免除の意思表示は反映されず、やはり生前贈与分も含めた上で遺留分の算定が行われることになる。遺産トラブルを防止するという上では、あまり意味がないかもしれない。


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