タックスニュース

2018年10月26日 金曜日

Vol.0470

<タックスニュース>

税財源巡り東京都が国と大ケンカ  「狙い撃ちの度が過ぎる」

 東京都の税制調査会は10月16日、東京都と地方の税収格差を是正するために政府が検討している措置について「地方自治の根幹を脅かす」と反発する答申案を取りまとめた。税財源を協議する都の有識者会議もその直後に開かれ、より政府を糾弾するトーンを鮮明にしようと、予定されていた報告書案の取りまとめを見送った。2019年度の税制改正を巡る対立が一層熱を帯びてきた。
 政府は地方法人課税を見直して都から地方への分配を強化する考えだ。法人事業税と法人住民税が、都道府県の間で人口1人あたり最大6倍の格差が生じており「都に税財源が偏在している」(総務省幹部)ことが根拠になっている。これに対し、都幹部は「過去30年の税制改正で国に奪われた都税は6兆円に上り、今回の見直しが実現すればさらに4000億円程度の減収が確実」と指摘し、「狙い撃ちの度が過ぎる」と頭を抱える。
 都税調の答申案は、政府のスタンスを「地域間での財源の奪い合いの構図へと誘導するかのようだ」と非難。「わが国の諸課題の本質的な解決にはつながらない」と断じた。一方、有識者会議「東京と日本の成長を考える検討会」は、都への投資は効率が高く他自治体への経済波及効果も発生する試算を示し、税源移譲で地方分権を加速させる必要性を訴える報告書案を準備したが、「迫力不足なので論調をより激しくしたい」(会議メンバーの一人)ため練り直すことになった。
 「東京都と国は大げんかしているところだ」。会議のメンバーであるジャーナリストの田原総一朗氏は、終了後にこう語った。税制改正の内容が正式に決まる年末まで、さらにヒートアップしていきそうだ。


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<タックスワンポイント>

新しくなった広大地ルールで評価額2倍?  中小工場地区は減額の対象外に

 「大は小を兼ねる」ということわざに従うなら、土地を持つにしても狭いより広いほうがいい。しかし広い土地を開発して住宅地にしようとすると、道路や公園などを作ることが法律で求められ、土地のすべてを売り物にできるわけではない。そのため税法では、一定以上の広さの土地は「広大地」として、相続や贈与などの際の評価額を広さに応じて減額するという制度が設けられている。
 この広大地のルールが今年1月から大きく変わった。適用要件や減額補正率などにあいまいな点が多く、実勢価格と評価額に大きなかい離が見られたことや、適用できるかを巡って納税者と国税当局が対立するケースが多く出たことを踏まえ、要件や減額ルールなどが明確化された。
 新ルールでは、「三大都市圏なら500平方メートル以上、それ以外なら1千平方メートル以上」、「普通住宅地区もしくは普通商業・併用住宅地区にある」などの要件を満たせば、税法上の「地積規模の大きな宅地の評価」として評価額を減らすことができる。また旧ルールでは減額幅を単純に面積に比例して計算していたが、いびつな形で使い勝手が悪い土地と、四角く使い勝手の良い土地の実売価格に差額が出ることを考慮し、形状など土地の"個性"に応じた補正率を加味して減額率を算出することとなった。ルールが明確化されて分かりやすくなったと言うこともできるが、面積要件がないことを利用して中規模の土地を広大地として認めさせるような今までの節税手法が使えなくなったとも言える。
 注意したいのは、旧ルールはあいまいだった広大地の要件が明文化されたことで、これまで評価減の対象となってきた、路線価地区区分の「中小工場地区」、地積規模の要件に満たない土地、指定容積率300%の地区で道路の幅員で制限のある土地が、減額対象外になったことだ。広大地による減額幅は大きいため、適用がないだけで土地の相続税評価額がこれまでの2倍に膨らむことも起こり得る。また広大地が適用できたとしても、四角く使い勝手の良い土地では減額幅が縮小され、評価額に数千万円の差が出てしまう可能性もある。
 逆に、いびつで使い勝手の悪い土地は、これまでより減額幅が大きくなる可能性が高い。またマンション用地など、新ルールになって広大地が適用できるようになった土地もあるので、広大地ルールの見直しによって得をするか損をするかはケースバイケースと言えるだろう。


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2018年10月19日 金曜日

Vol.0469

<タックスニュース>

高齢者のさらなる負担を要求  抜本改革は参院選後か

 財務省が財政制度等審議会(財務相の諮問機関)の分科会を開き、医療、介護など社会保障費の抑制や高齢者の負担増を改めて求めた。2022年には団塊の世代が75歳以上の後期高齢者に入り、社保費が急増する。社保制度の維持には早急な改革が不可欠だが、来夏に参院選を控える政府は厳しい歳出削減に及び腰で、本格的な改革に向けた議論は来夏以降に先送りされる。
 財務省は、高額化する最新の医薬品や医療技術について費用対効果や医療財政への影響なども考慮して保険適用の可否を判断するよう提案。湿布やビタミン剤など市販品と同じ成分の医薬品を処方される際の自己負担率の引き上げも求めた。
 医療費の自己負担が現役世代と同じ3割となる後期高齢者を増やすため、「現役並みの所得」と判定する基準をこれまでより厳しくすることを提案。高齢世帯は現役世帯に比べ貯蓄率が高いことを踏まえ、所得水準だけでなく保有資産の状況も加味して高齢者の自己負担割合を増やすべきとの考えを示した。
 改革案の大半は、従来財務省が主張してきたもの。政府は必要性を認識しつつも、有権者の反発を恐れ実行に移せないでいるのが実情だ。分科会では委員から「優先順位を決めて進めるべきだ」などの声が出た。
 安倍晋三首相は今後3年で社会保障改革を進めると強調したが、初年度に議論されるのは65歳までの継続雇用年齢の引き上げなど改革の本丸の外側部分のみ。来年10月の消費増税による経済失速を避けたい財務省も、「個人消費を冷やす負担増に踏み込みにくい」(幹部)という事情を抱えており、抜本的な改革は来夏以降に先送りされる見通しだ。


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<タックスワンポイント>

簡易課税方式は卸売業が一番有利  商品の形状変えると不利な仕入率に

 消費税の計算方式には、売上分の消費税額から仕入れ分の消費税額を引いて算出する「原則課税方式」に加え、売上分の税額に業種ごとに定められた仕入れ率を掛けて算出する「簡易課税方式」がある。簡易課税方式では、仕入れのために支払った実際の消費税の金額にかかわらず一定割合を売上分から控除できるので、業種ごとに決められた仕入れ率と比べて実際の仕入れの割合が少なければ、基本的に簡易課税方式が有利となる。
 簡易課税方式で適用する仕入れ率は業種ごとに6区分に分かれている。最も有利な90%の仕入れ率を適用できるのは「卸売業」で、80%を適用できる「小売業」が続く。売上から差し引ける割合が最も低い業種は「不動産業」。その仕入れ率は40%となっている。同じ売上でも、不動産業者が納める消費税額は卸売業者や小売業者より重くなってしまうというわけだ。
 会社としてはできるだけ高い仕入れ率を適用して税額を減らしたところだが、適用した仕入れ率に対して国税当局から否認を突き付けられるケースは多い。例えば紳士服の注文販売を行う事業者が小売業の仕入れ率を適用したところ、税法上では紳士服の縫製・加工を行う製造業に当たるとして、小売業よりも低い仕入れ率を適用するように税務署に指摘されたことが過去にあった。
 卸売業もしくは小売業の仕入れ率を適用するためのポイントは、仕入れた商品を性質や形状を変更せずに他の人に販売している事業を営んでいることを証明することにある。紳士服の注文販売は布を服に変更するという工程があるため、小売業には当たらないということになる。
 ただし、多少であれば性質や形状を変更しても卸売業や小売業の仕入れ率を適用できる。例えば、仕入れた商品にラベルを貼り付けて販売したからといって、製造業の仕入れ率を適用しなければならないわけではない。また、運送用に分解された部品を組み立てて販売しても製造業には当たらない。複数の商品をセット商品として詰め合わせて販売しても同様だ。
 なお、簡易課税は前々事業年度の課税売上高が5千万円以下でなければ適用できない。また、簡易課税方式を採用することを事業年度開始前に税務署に届け出る必要がある。


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2018年10月12日 金曜日

Vol.0468

<タックスニュース>

軽減税率対応に中小企業の腰重く  政府不信と延期観測も一因

 2019年10月に予定される消費税率10%への引き上げまであと1年に迫った。今回は、食料品など一部の商品で税率を8%のまま据え置く「軽減税率」も導入されるのが特徴だ。業界では複数の税率に対応するためのレジ刷新や店舗での対応マニュアルの作成などが求められるが、日本商工会議所の調査では準備に取りかかった会員中小企業は2割にとどまるなど、準備は順調とは言い難い。
 日商が今夏実施した会員企業向けアンケート調査では、レジ刷新などの準備に既に取りかかったのはわずか2割だった。見積もりを取るなどして専門家に相談はしているが実行に移していない業者を入れても5割を切る水準で、担当者は「準備が遅れているのは明らか」と頭を抱える。
 国が16年から展開する、レジ刷新などへの補助制度を申請した件数も、今年8月末時点で当初想定した33万件の約2割(約8万件)にとどまる。所管する経済産業省は「増税直前に注文が殺到すると、レジ業者が対応しきれなくなり、混乱が生じかねない」と、早めの対応を呼び掛けている。
 ただ、業者の腰が重い一因は、消費税の10%への引き上げが2度延期されてきた経緯だ。小売り大手幹部は「今度も本当に増税し、軽減税率を導入するのかと懐う部分はある。投資をして無駄骨になるのは嫌なので、レジ対応はぎりぎりまで様子見を続ける業者が多そうだ」と打ち明ける。日商担当者も、「政権には、『今度は確実に上げる』となるべく早く明確にアナウンスしてほしい」と望んでいる。


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<タックスワンポイント>

小規模宅地の特例要件は区分を明確に  利用状況で6種類、減額割合は8~5割

 相続税法には、相続財産のなかで事業や居住のために使われていた宅地について、一定の要件を満たせば、その宅地に課税される相続税を減額する「小規模宅地等の特例」という制度がある。宅地の利用状況によって最大で税金が8割も減額される非常にありがたい制度だが、適用要件は意外と複雑で、税理士であっても適用の可否について判断に迷うことが多くあるようだ。
 特例の適用対象となるのは、「事業に使っている宅地」と「住んでいる宅地」に分けられ、さらに事業用宅地は「特定事業用宅地等」「特定同族会社事業用宅地等」「貸付事業用宅地等」と細かく3つに種類が分かれる。特例の適用にあたってはそれぞれ要件が異なり、この時点ですでに難解だが、そのなかでも特に判断が難しい事業用宅地について事例を紹介する。
 被相続人が営んでいた酒屋を取り壊して、相続税の申告期限までに賃貸アパートに建て替えたときなど、全く異なる事業に転業した場合は、特定事業用宅地等として認められない。これが、酒屋をコンビニに変えたのであれば、被相続人の事業の一部を他の事業に転業したにすぎないため、特定事業用宅地等として認められる。
 また、区分所有登記がされている完全分離型二世帯住宅では、分譲マンションと同じ取り扱いとなり、特定居住用宅地等と認められない。被相続人が老人ホームに入居して、居住していた自宅が空き家となったとしても、そこでの居住は継続しているものとして、特定居住用宅地等として認められる。
 ただし、空き家となった自宅とは別に住んでいた親族が住み始めたり、他人に賃貸したりした時は、居住が継続しているとはならないので、特定居住用宅地として認められなくなる。
 被相続人が居住していた宅地が海外に所在していた場合であっても、特例の適用要件にはその宅地等の所在については定められていないため適用は可能となる。
 相続開始の直前における宅地がどの地用区分にあたるかで税額は大きく変わるため、特例の適用にあたっては国税庁のホームページなども参考にして慎重に判断してほしい。


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2018年10月 5日 金曜日

Vol.0467

<タックスニュース>

「徴収共助」で国外資産8億円徴収  豪人男性による贈与税滞納

 日本の税金を滞納していたオースラリア人男性について、各国の税務当局が協力する「徴収共助」制度を使って、国税庁が約8億円を徴収していたことが分かった。同制度を活用して億単位を徴収したのは初めてだという。2018年9月からは海外口座の情報を自動交換する仕組みがスタートするなど、国境を超えた税務当局の協力体制が着々と構築されつつある。
 8億円を徴収された男性は、数年前に日本に住む親から数十億円の贈与を受けたという。贈与者と受贈者のどちらかが日本国内に住む場合、引き継がれた財産は国内の相続税・贈与税の対象となるが、男性は贈与税を納めず、また督促に対しても納付の意思を示さなかった。東京国税局は男性の国内の預金を差し押さえた上で、国税庁を通じて豪税務当局に「徴収共助」の適用を要請し、豪税務当局は男性の預金を差し押さえて不足分全額を日本に送金した。
 「徴収共助」とは、13年に発効された「税務行政執行共助条約」で定められた3つの取り組みのうちの一つだ。同条約では、(1)租税に関する情報を相互に交換する「情報交換」、(2)滞納者の資産が他国にあるときに、その徴収を依頼できる「徴収共助」、(3)租税に関する文書の宛先が他国にあるときに、送達を依頼できる「送達共助」――で成り立つ。条約には日本、米国、英国、フランス、ドイツ、韓国などが加盟し、現在では53カ国・地域との間で、徴収共助の取り組みが発効している。同制度で億単位を徴収したのは初めてだが、日本はこれまでにも複数のケースで徴収共助を活用して滞納分の国外財産を徴収しているという。
 国外資産を巡る税務当局の取り組みとしては、国外に作った預金口座について、各国の税務当局が情報を交換する「CRS(共通報告基準)」制度が、日本でも9月にスタートしている。基準を適用する国同士が、それぞれの国の金融機関に開設された相手国居住者の口座情報を、年に一回、自動的に交換するという仕組みで、加盟した100を超える国・地域すべてとの間で行われる。今までも必要に応じて税務当局が相手国に情報を請求して取り寄せるというやり取りは行われてきたが、同制度によって個別請求せずとも定期的に最新の情報が送られてくるようになるわけだ。今後は、国内での税滞納に対して徴収共助制度を使い、CRSで情報を得た国外資産を差し押さえるといったケースも出てきそうだ。


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まぎらわしい2つの「計画」の違いはどこ?  経営力向上計画と先端設備等導入計画

 国内法人が過去最高の利益を記録する一方で、設備投資が思うように伸びないという状況を打破するため、国は毎年のように企業の設備投資に対する税優遇を拡充している。企業にとってはうれしい話だが、年々変わる制度の内容を把握するのは大変でもある。見直しの過程では類似した制度が併存することもあり、まぎらわしいことこの上ない。
 例えば今だと、新たに取得した設備にかかる償却資産税を減免する制度が二つ存在する。どちらも要件として、設備投資によって生産性が上がるという「計画」を作成して認定を受けることを求めているが、書類の内容は「経営力向上計画」と「先端設備等導入計画」で、認定する主体も違うまったくの別物だ。とはいえ記載内容には重複する部分が多く、補助金の優先採択や金融支援といった優遇内容も共通している。どうやら要件などに違いがあるようだが、実際に利用するならどちらがトクなのだろうか。
 まず「経営力向上計画」は、中小企業等経営強化法という根拠法に基づく制度で、生産性を年1%以上向上させる計画が認められれば、3年間償却資産税が2分の1になるというもの。この計画を認めるのは国だ。税優遇が適用される期限は2019年3月末となっていて、税優遇の他には政府系金融機関からの低利融資や信用保証、ものづくり補助金や事業承継補助金の採択時には加点されるというメリットがある。
 一方の「先端設備等導入計画」は、生産性向上特別措置法に基づく制度で、生産性を年3%以上向上させると、3年間償却資産税が減免されるというもの。具体的な軽減割合は自治体によって異なり、最小でも「経営力向上計画」と同じ2分の1、最大で税負担がゼロとなる。実際には約9割の自治体がゼロ税率を採用しているようだ。こちらの認定主体は市町村で、適用期限は「経営力」より2年長く21年3月末となっている。こちらにも信用保証、ものづくり補助金、小規模事業者持続化補助金の加点などの恩恵がある。
 両者を比べての最も大きな違いは、求められる生産性アップの要件だ。「経営力」は年1%に対して「先端設備」は年3%と厳しい条件が設定されている。その分優遇も大きく、後者では自治体にもよるが税負担がゼロまで減る。例えば耐用年数10年で1500万円の設備を取得するケースなら、税負担を3年間で50万円弱軽減できることになり、その恩恵は大きい。両方の償却資産税の優遇を併用することはできないので、購入する設備の性能などによって制度を使い分けたい。ただし補助金によっては、両者の特典を重複して使えるものもあるため、どうせ申請内容が似ているのだから、補助金のために両方認定を受けるのもアリだろう。


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