タックスニュース

2018年11月30日 金曜日

Vol.0474

<タックスニュース>

『税理士新聞』アンケート  軽減税率 反対が95%

 『税理士新聞』が税理士を対象に消費増税に伴う軽減税率についてのアンケートを実施したところ、回答者の約95%が「導入に反対」という結果となった(賛成9票、反対180票)。
 反対する理由を見ていくと、「税率を区分しなければならない煩雑さやインボイスを発行しなければならない手間で、どれだけの事業者が苦しめられることになるか」「わずらわしいわりに、それに見合う効果がない。どこかでいい加減さがないと日常的な処理はできないので、正確さを求めにくくなる」「税計算の複雑化に伴って誤りが増える」と、中小企業の事務増大を懸念する声が多かった。
 さらに、実務上の問題に加え、低所得者対策に疑問を投げかける声もあった。「高級スーパーやデパ地下で買うキャビア、トリュフ、フォアグラの三大珍味と、50%オフのシールの貼られた賞味期限の近い安物が、同じ税率になる。ぜいたくできる人ほど得をすることになる」「軽減税率で最も恩恵を受けるのは比較的消費額の大きい金持ちだという残念な事実は、もっと大きく報道されるべきだと思う」などと、食料品を軽減税率の対象にすることによって消費税の逆進性をさらに強めてしまう結果になるのではないかとする意見が寄せられた。
 一方で軽減税率導入に「賛成」という意見では、「国民感情から考えれば軽減税率は必要であり、食料等に限定せずもう少し対象を広げるべき」「税理士や事業者の負担が重くなるからと言って反対するのはエゴに過ぎない」と、軽減税率が弱者対策に有効な手段とする主張がみられた。
 今回のアンケートは軽減税率の是非を問うものだったが、「一部の品目の税負担を軽減するより税率を引き上げない方がよほどまし」「国が消費税依存に舵を切ったことが残念だ」と、消費税そのものの是非に言及する回答も寄せられた。
 また、「政府は消費税を社会保障のためのものと言い続けてきたのに、導入とこれまでの税率引き上げで福祉が良くなったとは思えない」「今度の増税が実施されたら、どれほどの中小企業が倒産、廃業に追い込まれることになるのか、心配でならない」といった意見もあった。


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<タックスワンポイント>

ゴーン容疑者逮捕  日本版司法取引とは

 日産自動車のカルロス・ゴーン会長が自身の報酬を過少申告したとして、金融商品取引法違反(有価証券報告書の虚偽記載)の疑いで逮捕されたが、これには国内で2例目となる司法取引制度が適用された。
 司法取引とは、刑事事件の容疑者や被告が、自分や他人の犯した犯罪行為についての情報を当局に提供する見返りに自身の処分を軽くしてもらう制度だ。アメリカ映画でなじみのある人も多いだろう。日本では今年6月に施行されたばかりの新しい制度だ。
 対象となる犯罪の範囲は、贈収賄や詐欺、覚せい剤取締法、組織犯罪処罰法など刑事訴訟法に明記されたもののほか、政令で規定した経済犯罪として、独禁法や特許法、会社法の違反、そして今回ゴーン容疑者の逮捕理由となった金商法の違反、脱税などが対象となる。
 アメリカで多く適用されている司法取引だが、その内容は日本とは異なる。アメリカ型は自分の犯罪を認めることで罪の軽減を図るものだが、日本型は他人や共犯者の犯罪が対象になっている。そのため日本型では、自身の立場を有利にするために「仲間」を陥れるような虚偽の供述を行い、えん罪を生む危険性も指摘されている。
 また、司法取引が有効に活用されていくことは、組織の内部の膿を出すためには期待されるものの、組織のなかで「誰か」が人身御供となってしまうことで、本質が糺されないようでは本末転倒だ。


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2018年11月26日 月曜日

Vol.0473

<タックスニュース>

国税庁が軽減税率のマニュアル改訂  「細かすぎる」の声も

 国税庁は11月8日、2019年10月の消費税率10%への引き上げ時に導入する軽減税率について、事例ごとに軽減税率の対象になるかどうかを解説したQ&A集の改訂版を公表した。コンビニエンスストアやスーパーなどの小売店が休憩用として通路脇に設置するベンチに「飲食禁止」といった明示をしていない場合、飲食スペースとみなす方針を明確化するなど内容を見直した。混乱防止を狙い、かなり細かい事例も取り上げているが、軽減税率の複雑さや分かりにくさが際立つ結果にもなった。
 軽減税率は、酒類を除く飲食料品などの税率を8%に据え置く制度。飲食料品は、持ち帰りには適用されるが、コンビニなどの店内にある飲食スペースで食べるためだと「外食」扱いになり対象外となる。
 ただ、コンビニやスーパーでは、飲食スペースがなくても、店内の通路や階段脇、店先に客の休憩用としてベンチを置いている店舗が多い。業界からこのベンチなどの取り扱いについて問い合わせが寄せられていた。
 そこで、国税庁は今回、店側が休憩用としていても飲食スペースにあたるというルールを明確化した。こうしたベンチで食べるために買う時は、外食とみなされ軽減税率の対象からは外れる。
 この他に取り上げられた事例は、ウォーターサーバーのレンタルについて、サーバーのレンタル料の税率は10%だが、中身の飲料水は8%と定めた。また、回転ずし店で、テーブルに回ってきたすしを客が食べきれず、パックに詰めて持ち帰るケースは10%としている。ある小売り業者は「細かい事例も、ないよりは良いが、全ての事例は網羅できずに限界がある。軽減税率への対応はやはり大変そうだ」と漏らし、ネットでは「ここまで細かい例を官僚が一生懸命考えているのは違和感がある」などとの感想も寄せられた。


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<タックスワンポイント>

高額納税者のふるさと納税  返礼品は50万円まで非課税?

 年末が近づき、今年の分のふるさと納税をどこに寄付するか迷っている人も多いかもしれない。高額納税者ともなれば控除対象となる寄付上限額も高く、それだけ多くの返礼品を受け取ることができるが、返礼品であってももらいすぎると税金がかかることを忘れてはいけない。
 ふるさと納税の返礼品は「一時所得」に当たり、所得税の対象だ。税金がかかる境界線はずばり50万円。受け取った返礼品の価値が50万円を超えるなら、所得税が課される。ただし50万円以下でも必ず非課税とは言い切れない。非課税になるのは、あくまで一時所得の総額が50万円以下の場合で、返礼品以外の収入があるなら、その分が加算されることになる。
 問題は、返礼品に値札が付いているわけではないので、いつ50万円を超えたかが分からないという点だ。こればかりは自治体に聞くしかないらしく、万が一にも国税に目を付けられたくないなら、50万円を超えそうだというタイミングで価格を問い合わせるしかない。
 そして、一時所得を計算する際には「その収入を生じた行為をするため、又は、その収入を生じた原因の発生に伴い、直接要した金額」を差し引けることとなっている。それでは返礼品を得るために要した「寄付金」は経費にならないのか。答えは残念ながらNOだ。寄付はあくまで寄付であり、返礼品の"代金"ではないということらしい。


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2018年11月16日 金曜日

Vol.0472

<タックスニュース>

バミューダ諸島に利益隠し?  日産200億円申告漏れ

 日産自動車(横浜市)が東京国税局の税務調査を受けて、約200億円の申告漏れを指摘されていたことが分かった。海外の子会社に親会社の利益を移転して税負担を逃れていると判断された。追徴税額は約50億円とみられる。同社は処分を不服とするコメントを出し、争う姿勢を見せている。
 問題とされたのは、カリブ海にある英領バミューダ諸島に所在している子会社だ。日産が保険会社に支払った自動車ローンに関する保険料の一部が、この子会社に入る仕組みになっていたという。バミューダ諸島には法人税が存在せず、租税回避地(タックスヘイブン)として知られる。東京国税局は子会社の利益は日産に合算して法人税を納めるべきとして、「タックスヘイブン対策税制」を同社に適用、過少申告加算税などを含め約50億円を課した。
 タックスヘイブン対策税制は、税率の低い国や地域に実体のない会社をつくる企業に対して過度な節税を防ぐことを目的としている。海外子会社の所得には通常、日本では課税されないが、法人税率が過度に低い国や、法人税のない国に子会社を設立し、その子会社に主たる事業の実体がなく関連会社の株式保有や資産管理だけが目的と判断されたときには、親会社の所得と合算して日本の法人税率で課税されることとなる。従来は「これ以上法人税率が低ければ対象となる」というトリガー税率が設定されていたが、2017年度税制改正で税率基準は原則的に廃止され、現在は税率にかかわらず事業の実体をもって判断することとなっている。
 日産は追徴課税処分に対し、バミューダ諸島に所在する子会社はグループ外の取引が主となっているなど、同税制の対象とならない適用除外要件を満たすと主張。報道に対し「解釈に相違があった。当社の処理は適正であったと認識している」とコメントし、国税不服審判所に審査請求を行っているという。


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<タックスワンポイント>

年末ジャンボ10億円当選でも非課税  共同購入は分け方次第で贈与税

 年末ジャンボ宝くじの店頭販売がいよいよ11月21日から始まる。当選金は2015年以降、1等と前後合わせて10億円となっている。
 宝くじの当選金は、いくら高額になっても所得税を課税されることはない。宝くじの販売ルールを定めた当せん金付証票法の13条がその根拠条文で、「当選金品には、所得税を課さない」と明記されている。所得税を基に算出する住民税も同様に非課税だ。
 ただし、複数の人と共同購入した宝くじの当選金には注意が必要で、所得税は課税されないものの、受け取り方次第では贈与税が課税されるおそれがある。代表者1人だけで当選金を受け取りに行き、その後に共同購入者に分配すると、「代表者からほかの購入者に贈与があった」とみなされてしまう可能性があるのだ。贈与税の課税を避けるには、共同購入者全員で銀行に行き、受取人名義を記す書面に全員の名前を書くなど、一人ひとりが個別に受け取ったという形を取る必要がある。
 なお、宝くじの売上のうち、当選金として当選者に支払われる金額の割合は5割に満たない。1枚当たり額面300円のジャンボ宝くじであれば、期待当選金額は140~150円程度ということだ。残りの150~160円は、印刷経費や手数料、広報費、そして発売元である自治体への分配に充てられる。自治体に渡る金額は売上の4割程度だ。これはすなわち、当選金を受け取る段階では所得税を課税されないものの、ジャンボ宝くじを購入する段階で1枚当たり120円程度を自治体に"納税"しているとも言える。


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2018年11月 9日 金曜日

Vol.0471

<タックスニュース>

驚きの財務省案  免税事業者は排除されろってこと?

 2019年10月に導入される予定の軽減税率によって減る税収の穴埋めとして、免税事業者が課税事業者に転向することで生まれる「消費税」を充てる案を財務省がまとめたことが分かった。8%と10%の複数税率を経理するインボイス制度では、免税事業者は消費税の還付を受けられるインボイス(請求書)を発行できないため、取引からの排除が懸念されている。免税事業者を保護するための施策が政府には求められていたが、財務省の案は課税事業者となって消費税を納めるか取引から排除されてつぶれるかの二択を迫るという驚きの内容だった。
 10月27日までに財務省がまとめた資料では、軽減税率によって減る税収は年1兆円と試算。7千億円分についてはすでに、低所得者の介護や医療負担を軽くする総合合算制度の見送り、給与所得控除の縮小やたばこ税の増税などでめどを付けていた。
 残る3千億円分のうち2千億円について財務省が提案したのが、免税事業者が課税事業者に転じることによって生まれる消費税の税収を充てる案だ。2021年から始まるインボイス方式では、課税仕入を100%控除するためには取引相手がインボイスを発行できる課税事業者でなければならない。同じ商売をし、同じ商品を取引しても、相手が免税事業者であれば戻ってくるはずの税金が戻らず損をすることになり、結果的に免税事業者が商取引の現場から排除される可能性が指摘されている。
 財務省の提案は、免税事業者は取引から排除されないために課税事業者に転換するはずとの見方に基づいている。つまり今後、免税事業者の救済のために何らかの手立てを講じる予定はないということだ。
 そもそも免税事業者という制度は、国税庁ホームページに掲載されている税務大学校の論文によれば、「小規模事業者の納税事務負担等に配慮して納税義務を免除する制度」とされている。課税事業者と比べた時の得や損という以前に、小規模事業者の人的コストなどの面に配慮した救済措置ということだ。
 代替財源の穴埋めを目的に「課税事業者になるか、それとも取引から排除されるか」を事業者に自発的に選ばせるのは、見当違いとの指摘を免れないだろう。


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税優遇が1年分無効に!?  経営力向上計画の申請を急げ

 今年中に機械装置などを取得して、償却資産税が3年間半分になる特例を利用しようと考えている会社は、特例の申請を急ぐ必要がありそうだ。中小企業庁が「12月に入ってからの申請は、年内に認定を得られない可能性がある」として早期の手続きを呼び掛けている。もし年内に認定が間に合わないと、本来なら3年間受けられる税優遇を2年分しか受けられず、大きな損を被ることになってしまう。
 特例は経営強化法に基づき、ペーパー2枚の「経営力向上計画」を作成して認定を受けると、新たに取得した機械装置などにかかる償却資産税の半減や、各種の金融支援、補助金審査での加点措置などが得られる仕組みだ。償却資産税だけを見ると、今年始まった「先端設備等導入計画」によって得られる優遇のほうが大きくなる可能性があるが、こちらでは年率3%の生産性アップを求められるのに対し、経営力向上計画では1%と達成が易しいという長所がある。
 償却資産税の賦課期日は1月1日のため、その時点で設備が取得され、計画の認定を受けていないと優遇は受けられない。優遇内容は「取得から3年分の税負担を2分の1にする」というものなので、認定が年内に間に合わないと、3年のうち最初の1年が無駄になってしまう。


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