タックスニュース

2019年10月25日 金曜日

Vol.0515

<タックスニュース>

黒字申告企業が8年連続増  上昇率は鈍化傾向

 2018年度の黒字申告法人の割合は全体の34・7%で、8年連続の上昇となったことが国税庁の調査で明らかになった。ただ黒字申告割合の上昇率は年々下がっている状況で、消費増税後の中小企業の負担増によって上昇率のさらなる鈍化や下降への転換が懸念される。
 黒字法人の割合は、リーマン・ショックが発生した08年度以降3年連続で過去最低を更新し、10年度には25・2%にまで落ち込んだが、その後は盛り返して増加の一途をたどっている。下降から上昇に転じた11 年度を除き、12年度から6年連続で前年比1ポイント以上の上昇を続けてきた。しかし黒字申告割合の上昇率を見ると、13年度をピークに落ち込み、18年度の34・7%は前年度(34・2%)から0・5ポイントの増加で、7年ぶりに前年度比1ポイント以下の上昇にとどまった。
 これらの黒字申告割合は繰越欠損金控除後の申告所得金額を基に集計したもので、控除前の黒字企業の割合は18年度は57・9%だった。前年度の58・2%から0・3ポイント下降している。
 この他、申告法人292万9千社の所得金額は前年度比3・7%増の73兆3865億円となり、過去最高を記録した。また源泉所得税について見てみると、18年度の源泉所得税の税額は19兆1437億円で、前年度から5・5%増え、2年連続の増加となった。給与所得が3・5%伸びたほか、配当所得は18・4%もの増加となった。


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<タックスワンポイント>

被害364億円でも振り込め詐欺は雑損控除認めず  騙された側が悪い自己責任論

 オレオレ詐欺、架空請求詐欺、融資保証金詐欺、還付金等詐欺、金融商品等取引名目、ギャンブル必勝法、異性との交際あっせん等々、警察庁のウェブサイトには様々な「特殊詐欺」の情報とともに、その注意点が掲載されている。
 同庁によると、2018年の特殊詐欺の認知件数は1万6494件で、前年比9・4%減と1割近くも減少した。ただ、被害額は364億円と依然として高い水準にあり、深刻な状況が続いている。17年をピークに全国で被害が相次いだ「オレオレ詐欺」は減少傾向にあり、最近は架空請求詐欺が急増しているという。
 振り込み詐欺をはじめとする特殊詐欺の被害額は数百万円から中には数千万円に及ぶものもあり、被害者のその後の生活に大きな影を落とすことになる。だが、こうした被害に対して税制上の救済措置は用意されていない。
 所得税制には、様々な被害に対する損失額を所得から減らす雑損控除という仕組みがあるが、これらの被害の対象は、震災・風水害といった自然災害、火災・火薬類の爆発など人為による被害、害虫など生物による被害、盗難、横領に限られ、「詐欺」は対象外となっている。
 災害や盗難が予期せず受ける被害であるのに比べて、恐喝や詐欺は、自分が判断する余地があった上で受けた被害というのが理由だ。この「自己責任論」は、2011年5月に国税不服裁判所で審理された振り込め詐欺事件でも適用されている。
 だが、年間に364億円もの被害が出ている状況で、一律に「判断できたはず」と括ることには疑問もあるだろう。盗難や横領と同じ扱いで何が問題なのか、今後も議論は続きそうだ。


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2019年10月18日 金曜日

Vol.0514

<タックスニュース>

消費増税の再引き上げ狙う財務省  「しばらく身をかがめておく」

 10月1日に消費税率の引き上げが行われ、キャッシュレス決済によるポイント還元などで一部トラブルがあったが、比較的順調に税率の変更が行われた。財務省は、財政健全化の立場から、できるだけ早く、さらなる引き上げを進めたい考えだが、先の視界は相変わらず、悪いままだ。
 政府税制調査会(首相の諮問機関)は9月末、中長期的な税制のあり方を提言する中期答申をまとめた。10月1日に消費税率10%への引き上げがあることを控え、具体的に再増税には踏み込まなかった。中里実会長(東大大学院教授)は会議後の記者会見で、将来の消費税再増税について「歳入と歳出のバランスをみながら、政府や国会で正式に議論することに尽きる」と述べるにとどめた。
 「令和時代の税制のあり方」と銘打たれた中期答申は、高齢化に伴う社会保障費の増加が国の財政を圧迫するなか、勤労世代の減少が今後見込まれるとし、社会保障財源の確保について「勤労世代の所得に負担の増加を求めることはおのずと限界がある」と指摘した。今の社会保障制度などの財源を調達する機能についても「十分果たせていない」と問題提起。社会保障の負担を広く公平に分かち合うため、「消費税の役割が一層重要になっている」としたものの、それ以上は踏み込まなかった。
 その一方、個人事業主だが取引先に従属して働く人、特定の企業に属さないフリーランス、兼業・副業の拡大を受け、所得税について「働き方の違いによって不利に扱われることのない諸控除のさらなる見直し」を求めた。消費税に比べ、より踏み込んでいる。
 臨時国会で安倍晋三首相は、さらなる増税について「今後10年間、引き上げる必要はない」との立場を強調した。今年7月の参院選直前にも同様の発言をしており、再びけん制した形だ。自民党税調では新たな会長に、経済産業省に近い甘利明氏が就任した。財務省幹部は「消費税の再増税については、しばらく身をかがめ、状況を見守るしかない」と話した。


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<タックスワンポイント>

遺留分は請求するにも順番がある  生前贈与は新しいものから

 たとえ遺言で「末のドラ息子にはビタ一文やらない」と書かれていたとしても、子には民法で定められた最低限の遺産を受け取る権利がある。これを遺留分という。遺留分を請求できるのは配偶者、親、子までとなり、きょうだいは含まれず、親がいない場合は祖父母、子がすでに死んでいる場合は孫も遺留分を主張することができる。
 遺留分を計算する上で算定基礎となる金額には、相続が発生した時の財産はもちろん、一部の生前贈与も加算される点に注意したい。具体的には、法定相続人への相続発生から10年以内の贈与と、相続人以外への1年以内の贈与は、遺産に足し戻して遺留分を計算する。法定相続人への贈与については、これまでは期限なしで過去に遡って足し戻していたが、さすがに数十年前の贈与を掘り返すのはいかがなものかとの指摘もあり、今年7月に「10年以内」に改正されたばかりだ。
 さて、4人きょうだいの末っ子が実際に遺留分を請求するとなった時、一番多くの財産を生前贈与によって受け取った長兄、遺言によって少額の遺産を受け取った次兄、介護を請け負う代わりに死亡時に現金を受け取る約束をした長女、この3人の誰から遺留分を取り戻せばいいのか。遺留分の額を3等分してそれぞれから同じ額を受け取ると思いがちだが、実は遺留分を請求できる財産には決まった順番がある。
 3人のきょうだいの財産を受け取り方はそれぞれ法律上の区分が異なる。次兄のように遺言で財産を受け取るのは「遺贈」、長女のように生前の贈与契約に基づいて死亡時に受け取る方法は「死因贈与」、長兄のように生前に受け取るのは「生前贈与」となる。遺贈と死因贈与は似ているが、前者はあくまで贈る側の一方的な意思であり受け取る側が断れるのに比べ、後者では両者同意の契約による贈与のため受け取る側が一方的に放棄できない点などが異なる。
 そして遺留分請求は、遺贈、死因贈与、生前贈与の順となる。つまり財産を受け取れなかった末っ子は、まず遺贈で財産を受け継いだ次兄に遺留分を請求しなければならない。その結果、末っ子の遺留分の全額を充当できれば長兄と長女には何の累も及ばない。しかし末っ子の請求によって次兄の取得分が自身の遺留分にまで減ってしまうと、足りない分の請求先は次の順位である死因贈与で財産を受け取った長女に移るというわけだ。次兄と長女の二人でも末っ子の遺留分を充当できないとなって初めて、生前贈与で受け取った長兄に遺留分請求がやってくる。
 もちろん家族の間で遺留分の争いなどが起きないような相続対策を講じておくことが一番ではあるものの、万が一のために、遺留分請求の順位について頭に入れておくといいだろう。なお複数の生前贈与がある時には、相続発生から近いものから順番に遺留分請求の対象となる点も押さえておきたい。


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2019年10月11日 金曜日

Vol.0513

<タックスニュース>

複雑きわまりない消費増税  混在する5種類の税率

 10月1日から消費税率が10%に引き上げられ、合わせて軽減税率(8%)とポイント還元事業が同日から新たに始まった。同じ値段の商品を買う場合でも軽減税率の対象か、ポイント還元事業の登録店舗かどうかによって、消費者の実質的な負担は3、5、6、8、10%と5種類が混在する。
 軽減税率は、外食と酒類を除く飲食料品と定期購読の新聞が対象だ。一方、ポイント還元は、参加登録をした店舗でクレジットカードや電子マネー、QRコードなどのキャッシュレス決済で買い物をした場合、中小店舗では5%、コンビニエンスストアなど大企業のフランチャイズチェーン(FC)加盟店は2%が還元される。キャッシュレス決済の普及と増税後の消費冷え込みの抑制が狙いで、来年6月末までの期間限定で行われる。
 この組み合わせによって、消費者の実質的な負担は5通りになる。本体価格600円の弁当を買う場合、持ち帰りは軽減税率8%が適用され、税込み648円。店内で食べる場合は外食とみなされ、税率10%の660円になる。加えて、持ち帰りで還元が適用されるFC店で買えば実質的な負担は6%、中小店舗なら3%。店内飲食では、FC店が8%、中小は5%だ。
 複雑な仕組みの背景には、消費税率が5%から8%になった14年の前回増税時に、駆け込み需要に伴う反動減が長期化したことがある。政府は当時の反省を踏まえ、10月から消費の波を抑えるためにポイント還元などの各種施策を講じている。前回の増税時に経済財政政策担当大臣だった自民党の甘利明衆議院議員は「今回は増税以降の方がお得ですよという感覚を出すことに注力した」と明かす。
 とはいえ還元方法の違いによって、消費者の「お得感」にも差が出そうだ。買い物時にその場で還元分を値引きする方法は分かりやすいが、次回以降の買い物で使えるポイントを付与したり、カードや口座からの引き落とし時に割り引かれたりする方法では実感するのに時間がかかるだろう。施策の効果が注目される。


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<タックスワンポイント>

スイカやパスモをチャージした時の経理  最初は「前払い金」使った時に「交通費」

 交通費の精算は経理担当者にとってもそれ以外の社員にとっても手間のかかる作業と言える。特に外回りが多い営業社員について支払いごとに精算するのは面倒なので、Suica(スイカ)やPASMO(パスモ)などの交通系ICカードを持たせ、チャージ(入金)するたびにその領収書で「旅費交通費」と会計帳簿に記載したくなるところだが、その会計処理は税務署に疑いの目で見られるおそれが高い。
 交通系ICカードが世に出始めた当初は名称の通りに交通費にしか使えなかったが、今では電車やバス以外にも、コンビニエンスストアやレストランなどでも利用できるようになった。消費増税の負担緩和策であるキャッシュレス決済のポイント還元制度でも交通系ICカードが対象となっていて、買い物に使う人はこれからさらに増えると見込まれている。そのため会計帳簿上は交通費としていても、個人的な商品の購入や飲食に利用している可能性はゼロではないと税務署は見ることから、一律に旅費交通費するのは避けた方が良い。
 誤解を生まない会計処理は、チャージした時点では「前払い金」などの項目に計上し、移動に使ったのなら「旅費交通費」、コンビニなどで消耗品を買ったのなら「消耗品費」とするなど、チャージ分を実際に使った時に支出内容に合った項目に含めるという、現金で社員に前払いする時と同じ方法となる。


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2019年10月 4日 金曜日

Vol.0512

<タックスニュース>

台風15号被害の修理補助金  一部損壊も国が9割負担へ

 政府は、台風15号による住宅被害について、従来は国の支援制度では対象外である一部損壊の建物も特例的に救済対象とすることを決めた。自治体が創設した補助制度の補助金の9割を国が負担する。被害が大きい千葉県が対象で、他の都県についても今後検討する。
 消防庁によると、今回の台風では1都7県で住宅被害が発生。その9割が、屋根瓦が飛ぶなどの一部損壊とされ、ほとんどが千葉県に集中している。
 国の被災者生活再建支援法と災害救助支援法では、住宅再建費用のうち最大300万円を公費で負担するが、対象はいずれも半壊以上の被害に限られる。損壊率20%未満とされる一部損壊は対象外で、拡大を求める声が出ていた。
 今回は被害が大きかったことに伴う特例措置として、千葉県が創設した補助金を交付金や特別地方交付税でまかない、国が実質9割を負担する。修理費の上限補助金額や割合は、今後被災自治体が決める。
 また、内閣府は、自治体が住宅被害の認定を行う際、台風後の雨も考慮するよう通知した。屋根が壊れて雨水が入った家は、建物としては一部損壊でも住み続けることが難しいといったケースも見受けられる。屋根の大部分が壊れていれば全壊や大規模半壊とみなすなど弾力的に運用する。
 日本損害保険協会の金杉恭三会長(あいおいニッセイ同和損保社長)は19日の記者会見で、台風15号の被害は「過去のワースト10に入るレベル」と言及した。保険金支払額は数千億円に達する見込みだ。一方、停電の影響で保険会社への事故の受け付けや自治体への被害報告は滞っており、今後さらに被害が増える可能性がある。


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共済と生命保険の使い分け  掛け金の安さが共済最大の強み

 共済は生命保険と同じく、もしもの時に備えるものだが、生保とは様々な点で異なる特徴を持っている。例えば、共済事業は組合員自らが運営し、相互扶助の精神のもと、組合員に最大の奉仕をすることを目的としている。一方、生命保険事業はれっきとした営利事業だ。また加入対象者を見ても、共済事業は原則として組合員やその家族のみが対象だが、生命保険は不特定多数を対象にしている点が異なる。
 もっとも、こうした違いがあるとはいえ、加入者にとっては保障を目当てに契約し、何かがあった時にはお金を受け取れることに変わりはない。お金も、生命保険では「保険金」「保険料」「配当金」と呼ばれるものが、共済では「共済金」「共済掛金」「割戻金」と呼ばれるが、両者は実質的に同じものだ。
 では両者にはそれぞれ、どのような強みと弱みがあるのか。まず共済の強みとして挙げられるのは、掛け金が安いこと、保障内容が改訂されて手厚くなっても掛け金は値上げされないこと、共済事業の決算内容がよければ割戻金をもらえることなどがある。一方のデメリットとしては、原則として組合員以外の加入ができないこと、共済の種類自体が少ないこと、保障の絶対額は生命保険より少ないことなどがあるだろう。
 これに対して生命保険のメリットは、誰でも加入が可能なこと、保障内容などのバリエーションが豊富で商品も多いこと、必要保障額を自身で設定できることなどがあり、デメリットとしては保険料が高いこと、契約者によって保険料が変わることなどが挙げられる。共済と生命保険にはそれぞれ強みがあり、お互いの弱みを補い合っている部分もあるので、中小企業経営としては必要に応じて両者を使い分けるのが賢明と言えそうだ。
 そうしたなかでも経営者として最低限押さえておきたい共済は、「経営セーフティ共済(中小企業倒産防止共済)」と「小規模企業共済」の2つだろう。経営セーフティ共済は、取引先が倒産して債権回収が困難な時に共済金の貸付が無利子で受けられたり、急な資金が必要になった時に無担保、低金利で融資が受けられたりするもので、掛け金の全額が損金になるという節税面でのメリットもある。小規模企業共済は、個人事業主の廃業時や会社役員の退任時に共済金が受け取れる、小規模事業者向けの退職金制度と言える。こちらも掛け金を損金に算入できるので、従業員数などの加入資格を満たせるなら、ぜひ利用を検討したいところだ。


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